January 2009 - Archive

最近観た映画メモ

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あるスキャンダルの覚え書き ★★★
女の人生には小さなものから大きなものまで、たくさんの落とし穴が開いている、と思った。ケイト・ブランシェットの、「まあまあの生活にありきたりな不満をもってつまらない不倫に没入する人妻」の演技が巧かった。大恋愛よりもそういう情事の演技にこそ女優の力量が出るなあ。
ジュディ・ディンチは言わずもがなの巧さ。発酵したオールドミスのやな感じがすごくいい。

シティオブメン ★★★
シティオブゴットの続編。大好きなフェルナンドメイレレス監督作品。色彩もカットワークも音楽も時系列表現も、全部かっこいい。でも、前作よりも視点がミクロになっている印象で、ちょっとテレビドラマを観ているような感じなのが残念。とはいえテレビドラマシリーズまで網羅しているファンとしては、アセロラくんの成長が嬉しかったりして。という感想もテレビドラマ的。

チャーリーズエンジェル フルスロットル ★★
能天気で景気のいい映画が観たくなったので再鑑賞。観るたびに筋トレ魂に火が付く映画です。女は容姿を磨いてつねに笑顔でタフに生きるべしと、思わされます。
それが主体ではないのは承知ですが、今観るとやっぱCGとアクションが古いのが気になるなー。

hesheit ウィスット・ポンニミット作品集 ★★★
これも再鑑賞。ちょっと夢見がちで素朴で若干いかれていて、根底を良心がしっかりと貫いている、ウィスット・ポンニミットの世界が好きです。こういう作品こそ大画面で流しっぱなしにしたいなあ。

最近観た映画メモ

| | TB-0
なにをみたかぜんぜん思い出せない!
ちょこちょこ感想を足していきます。

007 慰めの報酬 ★★★
先代のボンドよりも絶対ダニエル・クレイグのほうがかっこいい。ボンドはもはや様式美の世界だと思っているのでストーリーはかなり流して観ました、が、そういう人に対しても飽きさせない工夫がある感じで好感。

ヘルボーイ/ゴールデンアーミー ★★
妖怪大戦争でした。妖怪とセルマブレアが可愛かった。
アメコミが元ねたの映画ってだいたい主人公よりも脇役のほうが魅力的なのはなんでだろう。

僕らのミライへ逆回転 ★★★★★
全くスキのないパーフェクトな映画。ストーリーとか手法もすばらしいんだけど、映像そのものに対するゴンドリーの愛情を感じる映画だった。職人の情熱を観た、というかんじで大変感動した。

バンク・ジョブ ★★★★
実話ベース。UKクライムものは洗練されててよろしいね。

闇の子供たち ★★★
ずっしり重いテーマ。監督の問題に対する憤りが、細やかな表現に繋がっているかんじがして、「映画のあるべきひとつの姿」を見たと思った。

WALL・E ★★★★★
レミーのおいしいレストラン ★★★★
モンスターズ・インク ★★★★★

ウォンテッド ★★
星ふたつ、だけど好きな映画。モーガンフリーマンがめずらしく"モーガンフリーマン役"ではない役を演じてます。

トロピック・サンダー ★★★
昨年のマイベストカメオ賞。トムクルーズは下劣な役がいちばんいい。

未来を写した子供たち ★★★★
インドの買春窟で生まれ育った子供たちに写真を教えるお姉さんのドキュメンタリー。子供が撮った写真がとにかく良くて唸る。映画の興行収入が少しでも彼らを救ってくれればよいと思う。

ゲットスマート ★★
コネタで繋ぐ映画だけど・・・ビジュアル重視の映画だけど・・・いくらなんでも筋がテキトーすぎる。もうちょっとまじめにやってください、ということで★ふたつ。

アメリカンティーン ★★★
イーグル・アイ ★★
ダークナイト ★★★
ホット・ファズ ★★★★
カンフー・パンダ ★★★★

イースタン・プロミス ★★★★★
殺伐とした映像美、というか。絵葉書にはぜったいにならない美しい絵というか。
印象的なショットがとにかく多かった。ロシアン任侠なストーリーも甘くなくてよかったです。

大日本人 ★★★
告発のとき ★★★
ミスト ★★★★
チャーリー・ウィルソンズ・ウォー ★★★
ラスベガスをぶっつぶせ ★★★★

幸せになるための27のドレス ★
飛行機の機内でみた。年増にラブコメはきつい。

クローバーフィールド ★★
ゼアウィルビーブラッド ★★★

ジャンパー ★
これも機内でみた。ハイバジェットなアクションムービーなのに開始15分で人を寝かすほど退屈ってところが逆にすごいとおもった。

ダージリン急行 ★★
バンテージポイント ★★★★

ノーカントリー ★★★
この世で起きるあらゆる事象の背景にあるものは個人の行動規範に基づく行動であり、行動規範とい うものは正義や悪には何ら関係のない超個人的なものですよ。だから個人の集合体である世界における人生はままならないんですよ。という残酷な事実を淡々と 伝える映画。原作もすごく面白い。

燃えよ!ピンポン ★★★
爆発シーンのCGが「予算がない」でも「技術がない」でもなく「テキトーなだけ」っていう感じで面白かった。B級映画好きには自信をもっておすすめします。

アメリカン・ギャングスター ★★★

エリザベス・ゴールデンエイジ ★
期待はずれ。演出とストーリーが完全に昼ドラだった。韓流ドラマ的なロマンチシズムの表現というか。衣装は素敵でした。

俺たちフォギュアスケーター ★★★
ボーン・アルティメイタム ★★★

パンズ・ラビリンス ★★★
トータルで見ると暗くてそんなに好きな映画ではないんだけど、5分ほど強烈に面白い場面があって忘れられない。妖怪好きは是非。

キングダム/見えざる敵 ★★★★
バタフライ・エフェクト ★★★★★
ウィッカーマン ★
16歳の合衆国 ★★★
エレフェント ★★★★
隣のリッチマン ★★

その名にちなんで ★★★★★
原作の上品で繊細な筆致をまったく損なうことなく映画化したところがすごい。
インド人監督の映画っていわゆるマサラ・ムービーしか見たことがなかったので、こんなに洗練されたものがあるんだなあって驚いた。ニティンソーニーの音楽もすばらしい。

ハンコック ★★★
パーフェクトブルー ★★★
キサラギ ★★★★
ハッピーフィート ★★
美しい人 ★★★★
コールド・マウンテン ★★★★

サンキュー・スモーキング ★★★★
タバコ会社のロビイストのはなし。っていうテーマでもうワーイってかんじです。

オーシャンズ13 ★★★
エバン・オールマイティー ★★★
クルーエル・インテンションズ ★★★★★
ゴーストワールド ★★★★★
スーパーバッド ★★★★
ハリウッドランド ★★
ヘアスプレー ★★★★


崖の上のポニョ

| | TB-0
前評判があんまりよろしくないので心配しつつ観にいきましたがとても良い映画でした。

なにより海の描写がすばらしい。宮崎監督の描く、いろんな生き物がごしゃごしゃと生きている絵はほんとに素敵です。スクリーンいっぱいに海の生き 物がそれぞれ勝手に動き回っている感じが素晴らしい。私は磯遊びが大好きなんだけど、岩陰に不思議なかたちの生き物がそれぞれの生態で折り重なったりすれ 違ったりしながら生きているのを見ていると、人間も俯瞰したらこんな感じなのかなーなんて、のんきな気分になれるということが、ひとつの理由として あったりします。そしてそれって、生きてるってそんなに悪くないなって思うことに近いし、この映画の「生まれてきて、よかった」というキーワードに通じて いくものがあるのではないでしょうか。

海をひとつの登場人物として描いたと作品解説にありました。波のうねりが強くて怖かったり、急に水温が変わってぎょっとしたり、波間に黒い影をみ てパニックしたり。そういった海における恐怖を思い出す反面、前述した岩陰の魅力的な世界も同時に想起させるような「海」の表現は、まさにひとつの登 場人物としての存在感をもって迫ってくるものでした。海がひとつの登場人物だという設定も、その設定を全うしていることも新しいし面白いと思いました。

ストーリーはいたって童話的でハッピーなものなんだけど、これをハッピーなストーリーとして観る事のできない人も多いだろうなとは思いました。素 直にストーリーを追う/追わないの分かれ目は、ポニョを何かのメタファーとして見ない/見るに多くかかってくるのかもしれません。見慣れない姿のポニョ を、見知った何かに当てはめることは簡単だから。でも、ポニョは「さかなの子」だと主題歌でも歌っているわけで。相対する存在として人間の少年が配置され ているわけで。きちんとそこには描き分けがあったので、ポニョというキャラクターは、ポニョというキャラクターでしかないのではないかと思います。なんで もかんでも同化して考えるのは想像力に蓋をする行為ではないかとわたしは思います。

童話的でハッピーなストーリーであるからして、つっこもうと思えばいくらでもつっこむ要素のある映画だと思います。と同時に、それをわざわざする ことはないな、と思わせる魅力のある映画でもあると思います。ここ数年、ジブリは確信犯的にご都合主義を映画に盛り込んでいるけど、それって悪いことでは ないと私は思うのです。個人的な妄想を魅力的にアウトプットして、それで人々を魅了するのがフィクションなのだから。ある種の人々は、自分の妄想には寛容 なくせに、他人の妄想に対してやけに手厳しいから不思議です。

宮崎監督が、「不安と神経症の時代に立ち向かおうというものである」と語ったことに対して、ポニョ VS 神経症という誤った対立構造を持ち出して、過剰に反応する層が存在してると感じています。"不安と神経症の時代"に対立するのは、監督のアウトプットの姿 勢なのであって、ポニョ自体ではないです。不安と神経症の時代"に歓迎されるものではない、という自覚をもちながらこの映画を作ったことがすでに表現 の一端なのだから、そこにヒステリックに反応することは、すでに映画に取り込まれているということではないでしょーか。

ポニョという映画は、個人の性質によってとことん評価が異なる映画だと思います。何を見つめるか、何を見過ごすか、という個人の基準 が感想に大きく反映されるように思います。基準となるポイントが、映画を観終わるころにクッキリしてくるような感じがして、わたしはそれがこの映画に込め られた仕掛けなのかな、なんて思いました。映画自体が表層となり、その奥にあるものが突然意味をなす、その感触はなかなか得がたいものだと思います。

Author

映画と猫と旅行が好きな
70年代後半うまれの女性

★Stars

★★★★★
何度でも観たい。
★★★★
おすすめ。
★★★
悪くない。
★★
人には薦めない。

観なきゃ良かった。

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