February 2010 - Archive

公開当日に張り切って観に行ったんだけども。
ビジュアル120点、脚本20点、とにかく惜しい!という印象でした。期待値高すぎたのかも。

脚本20点、っていっても原作となった絵本は大好きなので、ストーリーのふくらませ方に違和感がありすぎたという感じです。時間を稼ぐための混ぜもの、あるいは想像力の足りない鑑賞者を納得させるための混ぜもの、という感じがしてなりませんでした。

世界一のPV監督であるからして、効果的なショットだらけで視覚的には本当に楽しかったんだけど、かいじゅう同士の複雑な人間(かいじゅう)関係の描写 は完全に蛇足。子供の成長譚としても中途半端で、無理やりにガッチリしたストーリーラインを作らずに、もっと郷愁をさそうことだけに集中してしまっ て良かったのではないかと思いました。

予告編を観るたびに、胸にせまるものがありすぎて泣きそうになっていたわたしだったのですが、本編ではあまりそういう気分になりませんでした。セリフやキャラクター描写に興を削がれた、としか言いようがないのですが、それが本当に残念。

幼少期に誰もが持っていた、ここではないどこかへの憧れ、暗がりに跋扈する異形の友達、夜中に夢から覚めて両親のいる明るいリビングにぬいぐるみを抱えてもじもじと行く感じ、それを思い出させるだけで良かったと思います。わたしはこの映画にそれを求めてました。

名状しがたい感覚を強く揺さぶる力のあるPV作品をあれほどたくさん世に出している監督だからこそ、その一点で勝負をかけてくれたら良かったのになって思います。


Author

映画と猫と旅行が好きな
70年代後半うまれの女性

★Stars

★★★★★
何度でも観たい。
★★★★
おすすめ。
★★★
悪くない。
★★
人には薦めない。

観なきゃ良かった。

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