bee: December 2006 - Archive

エルフ

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ウィル・フェレル扮する、北極のサンタさんの工房で働くエルフたち・・・の中に諸般の事情で混じっている”エルフとして育った人間”の男が、父親に会いにNYにやってくるというストーリー。大男(190センチ)のウィルが、白いタイツにとんがりお帽子で「ダディ~!」とか言って飛び跳ねまくる姿が気持ち悪すぎます。ウィルは大好きですが若干やりすぎ感が漂う気もします。

クリスマスも近いことなのでそれらしい映画を、なんて言って、何も知らずにこの映画をレンタルしてしまう人、多いんだろうなあ・・・。心から同情します。

アンカーマン

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邦題は「俺たちニュースキャスター」なのですが、あまりにも締まらないタイトルなので原題を採用。大好きなウィル・フェレルのほか、ヴィンス・ボーン、ジャック・ブラック、ベン・スティラーといったアメリカンB級コメディの常連が山盛り出演していてお好きな人にはたまらないキャスティング。個人的には大好きなクリスティーナ・アップルゲイトが出演していて嬉しかったです。筋はバカバカしいのでストーリーに期待せずに、コントを見るような気持ちで観るのが良さそう。

カーズ

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安心と信頼のピクサー作品。

子供にも理解できる平易なストーリーとモチーフ使いですが、大人も大満足できると思います。ストーリーの理解に関係のないところに、大人向けのちょっとしたネタが盛り込まれているのでなんだか得をしたような気にすらなってしまいます。

そして、ピクサーはキャラクターの肉付けが本当に上手。「kawaii文化」がお家芸の日本人には、とてもじゃないけど、かくもカラフルな性格の幅を持たせて車をキャラクター化することはできないだろうなと思います(それがダメだということではなく、単に個性の問題です)。そういう意味で、日本人にとっては特に新鮮なアニメーションではないかと思います。

いつもながら、ピクサー作品を観て思うのですが、リアリティを追求するところと、デフォルメするところの線引きが本当に上手です。アニメーションの位置づけというものを「絵が動くもの」から、「映画ではできないことを全て実現するもの」へとシフトさせている感があると思いました。

SAYURI

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日本を舞台にした日本人のおはなしを英語で映画にすることの難しさよ。花柳界のことばの、日本語を使う / 英訳して使う、の線引きにジレンマがあったと見えて妙な科白が多い。映像はとてもきれいでロマンティックだけど、やっぱり原作のほうが繊細な魅力があって好きだなあ。

オーシャンズ12

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お衣装が素敵すぎ(ジョルジオ・アルマーニ)てため息。11より好き。個人的にオーシャンズ~は、オシャレ映画というくくりです。
ソフィア・コッポラに次ぐガーリームービーの旗手とか言われてるけど、その評価にかなり違和感を感じてしまいました。脚本や映像は、一見するとそんな雰囲気かなあというかんじなんだけど、刺さらないというかわかりやすすぎるというか、ガーリームービーの一番の魅せどころは「名状しがたい感情をきれいに映像化する」ということだと私個人は思うのですが、その点で物足りなさを感じました。

しかし何といっても気になるのはヒロイン。監督本人演じるヒロインが、落合家の福嗣くんのようなルックスでなあ・・・。やっぱ映画における見た目は大切だとおもいます。

ブラック・ダリア

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ジェイムズ・エルロイの「LA三部作」の待望の映画化。映像として観て、個人的にはあまり感じるところがなく、「ナイロビの蜂」とは対照的に、”映画化する意義”をあまり感じませんでした。が、映画の位置づけとしては、”ザ・ハリウッド映画”だと思うので、原作から離れて単純にサスペンス・エンターテイメントとして観れば、退屈しない映画ではあると思います。

公開前から話題だった、2大女優について少々。スカーレット・ヨハンソンの演技が素晴らしいと思いました。普段の言動やパパラッチされる姿などの印象で「キレイだけどバカっぽい人」という印象を持っていたのですが、役者としてスクリーン越しに観るとまるで別人。天性の女優なのだなあと思いました。時を近くして、スカーレット主演の「ロスト・イン・トランスレーション」を観たのですが、やはり同じ印象を持ちました。一方で、ヒラリー・スワンクのグラマラスな役どころにムリがありすぎてちょっと見ていていたたまれない気持ちになりました。素晴らしい役者なだけに、もったいないキャスティングだと思います。

ユナイテッド93

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911テロ時に墜落した飛行機のうちの一機、UA93が墜落するまでをものすごく丁寧に残酷に再現した映画です。BGM はもちろんなく、時間軸と状況説明のためだけに編集が行われ、心温まるエピソードなどの恣意的な演出も当然ナシ。そういった点では、映画手法的に非常にアバンギャルドな作品だと思います。けれども確実に、哀しみや空しさが心に刺さります。911 に関する報道において「アメリカ国民は傷ついた」というような表現がわりと頻繁に使われているのを見て、「そういう表現をするのだなあ」と漠然と新鮮な気持ちになったものでしたが、この映画を観て「国民が傷つく」という言葉の真意を垣間見たような気になりました。

映画を観ていて「真空状態」を体感したような気分になったのは初めての経験でした。すさまじい緊張感で頭が痛くなりましたが、観て良かったと鑑賞後に思いました。傑作だと思います。

40歳の童貞男

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期待はずれだったなー。友情やら愛情やら、あれもこれも盛り込みすぎで散漫な印象。もっとおもしろくなりそうなモチーフなだけに惜しい。2chで童貞の悲哀のこもる発言を拾ってマッシュアップしたほうがおもしろいものができそう。

プラダを着た悪魔

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男にとっての 007 みたいなものか。全体的に少女マンガ的なノリで、とくにメリルストリープのいかにもな演技がおもしろい。そして豪華なお衣装!全てのコーディネイトが夢のようにすてきだった。最後のクレジットの、衣装提供のリストもおもしろくて見入ってしまう。シャネルのニーハイブーツ、欲しいなぁ・・・。

スネーク・フライト

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あえてコメディカテゴリーに入れておきます。飛行機が!毒蛇で!いっぱいに!ギャー!みたいなばかばかしいパニック映画。素晴らしいです。ハゲたオッサンが大蛇に丸呑みされたり、トイレで便器から顔を出した蛇に局部を噛まれたり、というような漫画的なネタが満載です。涙ありポロリありカタルシスありではありますが、それは言うなればお刺身のツマに過ぎず、あくまでも主人公は蛇(と蛇に噛まれて死にまくる乗客乗員)です。ゾンビやエイリアンといった「やたらしつこくて大量でなんかもう途中でうんざりしてくるくらい強い敵」が登場するパニック映画好きにとっては、観るだけでテンションが上がる超オススメの作品です。

そして、エンディング曲も最高。公募で選ばれた Cobra Starship というウルグアイ(!)のロックバンドによるものなのですが、アメリカ人が忘れてしまった能天気なロックスピリッツはウルグアイで確かに継承されている!ということを示す名曲です。ダンスロック好きは是非。

インサイド・マン

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退屈しない脚本、うまくハマるカタルシス、きれいな映像、豪華なキャスティング。上質なんだけど印象に残らないという残念な一本。好みの問題ですな。

最凶女装計画

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オカマモチーフのたいへん下品なコメディ。ではありますが、白人上流社会への風刺とアフロアフリカンのプライドに満ちていて、悪くないと思います。万人にはおすすめしづらいけど。パリスヒルトンを半笑いでウォッチしている向きには確実にオススメの一本です。
個人体験とシンクロして沁みた。全世界の(ピンからキリまですべての)トロフィー・ワイフや、(嫁が若くてぼんやりしたかんじの)年齢差夫婦のためにある名作ではないかと。舞台が北京だろうがハノイだろうが、同じように沁みたと思う。スカーレット・ヨハンソン、ビル・マーレイの演技もとても良くて、微妙な感情だけで成立している脚本を、演技として残した俳優たちと、映像として切り取った監督はすごいなあと思った。ソフィアはやっぱ天才(断言)。
ウィルフェレル・オーウェンウィルソン・ヴィンスボーン・クリストファーウォーケン、というコメディ的に超豪華クレジットで文句なし。ヒロインが私の大好きなレイチェル・マクアダムスなのもうれしかった。ストーリー?そんなのはどうでも良いのであります。

ウェザーマン

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脚本がニコラスケイジ向けではなかったような気がする・・・けどどうだろう。個人的に、弱虫とクールの同居する中年を演じるニコラス・ケイジが好きなので、そう感じました。
素晴らしい。展開の緊張感の緩急が絶妙です。ナイロビの蜂同様に、ややこしい状況と時系列の処理が見事。映像そのものもなまなましくてビューティフルです。強烈で重いテーマなので、笑ってのんきに観るという感じの映画ではないし、後味も良くはないのだけど、観終わった後に不思議な充実感がありました。

ナイロビの蜂

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原作に忠実なつくりながら、カットワークと、状況や時系列の処理が見事なので、原作以上に訴求力があった。「映画化する意義」を全うしていると思います。アフリカの映像もほんとにきれいだったり恐ろしかったりで圧倒されます。物語としてはけっこう複雑なので、先に原作を読んでおくとよりわかりやすいと思います。
ビターなブリティッシュユーモア×ゾンビという組み合わせがこんなに合うなんて!モチーフがゾンビなので、パニックムービーではあるのだけど、観ていて疲れるドタバタ映画では断じてありません。ゾンビ映画はあまり好きではない私でも、たいへん楽しく鑑賞できた映画でした。こんなに面白いのに日本未公開だなんて、まったくもって残念なことです。(DVDは発売中です

レイヤー・ケーキ

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ドラッグディーラーの悲喜こもごも人生譚インザ UK 。スリリングなクライムムービーというよりは、ボヤきも織り交ぜつつのまったりした展開なので好みの別れる感じではあります。でも UK ギャング映画は、他国のそれと比べて圧倒的にスタイリッシュなので、ダニエル・クレイグのPVとして観ればけっこう楽しめるのではないかと思います。

ロールバウンス

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70年代を舞台にした、ローラースケート(SOULSKATEというやつですね)に青春をかける黒人少年たちの映画。家族愛とか甘酸っぱい感じとかも盛り込んで、青春映画という体裁になってはいるんだけど、んー、いい意味でPVだなあと思います。70年代カルチャーのPV。音楽がこの時代のディスコクラシックまみれで、観ていてほんっと楽しいです。ダンスクラシックの楽しさと哀愁がたっぷり。

フーリガン

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イライジャ・ウッド主演の青春映画、と言うとなんかすごく・・・ルサンチマンと自己解決の退屈な映画なかんじしますが、とんでもない!めちゃくちゃおもしろかった。イギリスの不良が好きな人には絶対おすすめ。なんてバカでなんてブサイクでなんてかっこいいんだイギリス人!

hype!

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グランジ・ロックもののドキュメンタリーフィルム。前述の LIVE FOREVER! に比してあまりに感傷的で若い内容、言い換えると浅くて薄い、内容でありました。アメリカ人気質とイギリス人気質の違いを感じます。グランジが好きだ! 90年代前半のアメリカのポップカルチャーが好きだ!という人にはとても楽しい映画だと思います。が、<時代>の構成要素は音楽シーンだけではないので、ひとつのドキュメンタリーとして観るとちょっと物足りない感じがします。

LIVE FOREVER

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サッチャー to ブレア の政権移行、それに伴い大きく変化した 90年代 UK カルチャー(クールブリタニアと呼ばれるアレコレ: wikipedia )についてのまじめでかっこいいドキュメンタリーフィルム。UK カルチャーにそれほど興味がなくとも引き込まれる内容です。 政治経済の状況の変化に伴って、カルチャーが大きく変化するなんて、日本ではあまりぴんとこないことですが、どのような立場で生きている人も社会の変化に対して敏感でいるというのは、社会としての成熟の度合いに比例しているのかな、と思いました。 それにしてもイギリス人男性って、ブサイクで貧相だというのになんであんなにカッコイイのだろう。

ワイルドスピード3

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本編よりもメイキングのほうが面白い不思議な映画。俳優はなんだか変な顔の人ばっかりだし、ストーリーもへんてこりん。でもレースのシーンだけはほんとにカッコイイので、これは「ドリフトの映画」なのだから筋や演技については追求しなくて良いのです、と、思わず納得してしまうような感じです。

Author

映画と猫と旅行が好きな
70年代後半うまれの女性

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