comedy: August 2005 - Archive

ホットチック

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なんでこんな面白い映画を劇場で公開しないのだろう、日本という国は。もう沈没したほうがいいと思います。

あらすじは超シンプル。学園のアイドル女子高生とオッサンの体が、呪いにかかって入れ替わってしまってドタバタ・・・というおはなし。舞台はアメリカですが、アメリカンカルチャーや登場人物の予備知識は一切不要。老若男女、バカ映画を愛する人なら誰でも楽しめる親切設計です。ちなみに私は何も知らずにWOWWOWの放映を観てかなりびっくりしました。快作にして怪作です。

主演のロブ・シュナイダーと監督&脚本のトム・ブレディはともにSNL出身のコメディアン俳優・・・と言えば、お好きな人にはわかるはず。日本では知名度低いけど、本国ではトム・クルーズ並みのセレブリティです。日本で言ったらダウンタウンとかタモさんクラスでしょーか。(このへんの憶測は適当です)

ロブシュナイダー扮する女子高生(肉体はオッサンだけど中身は女子高生だから)が、超おもしろいです。具体的なエピソードを語るとあまり面白くないのでここでは触れませんが、ともすれば陳腐な「とりかえばや物語」が、ロブシュナイダーが演じると抱腹絶倒になってしまうんだからすごいなーと思います。

その日一番観たい映画にはなり辛いけど、いつ観ても面白い映画ではあります。ツタヤなんかで何を借りるか迷ったときにオススメします。

以下は私の個人的な思い入れを語るので目をつぶって読んでください。

ヒロインを演じるレイチェル・マクアダムスは、「ミーンガールズ」でもイジワルな学園のクイーンを演じた、絵に描いたようなアメリカンブロンドガールで、私が個人的に大好きな女優さんです。メインの役として出演した映画本数は少なくて、ホットチックとミーンガールズぐらいなんだけど、女子高生役ばっかりやってる割にけっこういい歳っていうのもグっときます。イジワル顔もキレた演技も、どっちも上手で素敵です。

この映画の題材にもなっている、アメリカのハイスクールカルチャーって、妙に大人っぽくてアメリカナイズされた(アメリカだから当然だけど)部分と、所詮は十代のガキっぽい部分がごた混ぜになっていて、群像劇の素材としてすごく魅力的だと思います。

アメリカのハイスクールの、JOCKS vs NERDS (日本でいうところの、イケてるグループvsオタクなグループ、て感じ)の図式は、コロンバインハイスクールの銃乱射事件なんかでも注目された子供社会の問題で、ちょっと笑えない現実があったりします。で、最近の学園コメディものの映画では、JOCKSとNERDSの歩み寄りとか、JOCKSの凋落とか改心なんかが最終的に描かれたりしていて、それがカタルシスになってたりするんですが、この現象って、作り手の問題意識ってこともあるのだろうけど、表現者の多くはNERDS出身で、JOCKSに対するルサンチマンがあるってこともあるのかもなーなんて思いました。B級映画のパワーの理由がちょっとわかったような気がしたのでした。

Author

映画と猫と旅行が好きな
70年代後半うまれの女性

★Stars

★★★★★
何度でも観たい。
★★★★
おすすめ。
★★★
悪くない。
★★
人には薦めない。

観なきゃ良かった。

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