documentary

シッコ

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マイケル・ムーア監督作品。アメリカの医療保障の問題がテーマのドキュメンタリーです。
帰納法的に映像をつなげて主張へ と纏めていく手法が、他作品に比較してより効果的に作用していた、という印象。コロンバインや華氏911に比較して、よりドメスティックな テーマでありながら、社会保障に対してわりと不安の少ない日本人のわたしが鑑賞しても、感情移入できる映画であるということに感嘆します。

対象への怒りや告発の意図のみではなく、根本に祖国への愛情があるため、アメリカを " 問題まみれの国 " と呆れる一方で、" 希望もあるのかもしれない " と思わされます。ムーア作品に共通する、鑑賞後の " 後味の悪くなさ " は、ドキュメンタリー映画というメディアの質に対して良いものであるかどうかは別として、大衆への問題提起という点でとても有効な表現のあり方であると思います。

ドキュメンタリーというジャンルの映画に、エンターテイメント性を器用に盛り込むことで、鑑賞する層を広げたということが、マイケル・ムーアの一番の功績だと思います。

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★★★★

hype!

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グランジ・ロックもののドキュメンタリーフィルム。前述の LIVE FOREVER! に比してあまりに感傷的で若い内容、言い換えると浅くて薄い、内容でありました。アメリカ人気質とイギリス人気質の違いを感じます。グランジが好きだ! 90年代前半のアメリカのポップカルチャーが好きだ!という人にはとても楽しい映画だと思います。が、<時代>の構成要素は音楽シーンだけではないので、ひとつのドキュメンタリーとして観るとちょっと物足りない感じがします。

LIVE FOREVER

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サッチャー to ブレア の政権移行、それに伴い大きく変化した 90年代 UK カルチャー(クールブリタニアと呼ばれるアレコレ: wikipedia )についてのまじめでかっこいいドキュメンタリーフィルム。UK カルチャーにそれほど興味がなくとも引き込まれる内容です。 政治経済の状況の変化に伴って、カルチャーが大きく変化するなんて、日本ではあまりぴんとこないことですが、どのような立場で生きている人も社会の変化に対して敏感でいるというのは、社会としての成熟の度合いに比例しているのかな、と思いました。 それにしてもイギリス人男性って、ブサイクで貧相だというのになんであんなにカッコイイのだろう。

スーパーサイズミー

| | TB-0
アメリカ人にとっては”自国の社会問題を再認識させられる映画”だけど、日本人にとっては”アメリカ人のバカさ加減を再認識させられる映画”です。なのでアメリカ人以外の国の人は笑って観たんじゃないでしょーか。アカデミーの受賞もアメリカのアワードだからこそ、という気がします。

映画の内容をおおざっぱに説明すると・・・
■一ヶ月間、食事の全てをマクドナルド製品にする。
■その際、「スーパーサイズになさいますか?」と店員に尋ねられた場合、問答無用で「ハイ」と答えなくてはならない。
■尚、全ての食事を残してはいけない。
というルールのもと、一ヶ月間マクドナルド漬けの生活をすると、人間の肉体はどのように変化するかという実験を記録したものが本作です。

毎日マクドナルド食だなんてアホか!、とわれわれは思ってしまうところですが、こういった食生活がさほど珍しくはないのがアメリカという国なのですね。事実、数年前には毎日マクドナルドのハンバーガーを食べ続けた結果、超肥満になってしまったという少女二人が米マクドナルド社に対して「有害な食品を販売していることを表明する義務を怠った」として訴訟を起こしています。でもって、アメリカでは、低価格で手軽な食事=ファーストフード、なので、低所得者層の人はどうしても「スーパーサイズミー的な食生活」になりがちなのが現実。日本みたいに、粗食=健康食、ではないので貧乏人ほど肥満になりやすい国がアメリカなんです。お気の毒というかバカだなーというか早くなんとかしなさいよというか。

実験の過程や結果もショッキングで興味深い映像ですが、ちょろちょろっと登場するマクドナルドジャンキーの人々(すごいよ)の姿や、米マクドナルド社の巧妙な宣伝戦略の内容も面白く、音楽もいい感じなのでドキュメンタリーながら退屈することなく鑑賞できました。

問題は、観終ったあとに強烈にマクドナルドに行きたくなるってことですかね。

Author

映画と猫と旅行が好きな
70年代後半うまれの女性

★Stars

★★★★★
何度でも観たい。
★★★★
おすすめ。
★★★
悪くない。
★★
人には薦めない。

観なきゃ良かった。

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