drama

DVDで鑑賞。

37歳でバツイチで元プロムクイーンで現在ぱっとしない生活をしている女性が主人公。高校時代の恋人から、子供が生まれたというお知らせのメールが届いたことで、変なスイッチが入ってしまい、彼に会いに田舎に帰ってうんざりするほどトラブルを起こすお話しです。ちょっと「ノン子36歳」に似てます。

この設定(落ちぶれ美人)は公開時からいろんなところでクローズアップされてるけど、だからといって女性のために作られたような映画ではないです。落ちぶれ美人の映画ではなく、成長しきれていない大人の映画です。落ちぶれ美人はわかりやすいアイコンであって、根本的には、根拠のない自信を決定的に喪失してしまった人が生きる、とても個人的な地獄のお話です。

ヒロインの生活のディティールや人との関わり方は、コメディとも言えるくらいデフォルメされているのですが、私は「こんなやついねーよ」と笑うことはできませんでした。正しく成長し、自意識を持て余すことなく生きている人だけが、このヒロインの愚かさを異次元のこととして笑うことができるのだろうと思います。

カメラの視点は徹底的に意地悪で、容赦なくヒロインのみっともなさをクローズアップします。ヒロインを演じるシャーリーズ・セロンはものすごい美人なのに、キャラクターの愚かさが先にたって美人であることを忘れてしまうほどです。その視点を作った監督も、持っている美しさを越える愚かさを演じたシャーリーズ・セロンも、すごい才能だと思います。

最終的に、ヒロインが愚かなりに自分に折り合いをつけて映画は終わるのですが、そこに救済はありません。ただただどうにか折り合いを付けるだけ。説明描写は全くないのですが、「ああ、こうやって折り合いをつけたんだな」ということを観るものに明確に伝える仕掛けがあります。ヒロインが、鬱屈したストーリーを締めくくって映画の画面から去っていくような終わり方には、観るものをほっとさせるものがあります。

男女属性を問わず自意識過剰な人にとっては、弱点を嫌な感じでこれでもかと刺激される映画だと思います。私は何度も、「痛い!もうやめて!」って思いました。で、最後まで観終わったところで「でもまあどうにかやってくしかないのだな、やっぱ」と思いました。

そういう意味で強烈に刺激のある映画だけど、そういう刺激を映画で受けることが自分にとってどういう意義があったのかというと、いまひとつ謎な気もするので★みっつ。

愛のむきだし

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めずらしく途中でギブアップ。予算の問題ではなく、あまりに画面がチープで退屈。サブカルチャーに影響を受けたAV監督によるアダルトビデオのドラマシーンのようでした。板尾創路や渡部篤郎のさほどマッチしていないキャスティングに予算を使うくらいなら、ほかにもっとお金をかけるべき場所があったのでは?という気 がします。

そして当方、女性なので下着盗撮っていう題材をポップに扱おうとする感覚に対してどうも寛容になれず。下着盗撮映画がダメ、ということではなく、おもしろ おかしくやるなら誰もが納得するレベルを追求してほしいと思います。中学生男子の悪ふざけレベルの下着盗撮シーンが続いてげんなりしました。延々と素人投稿雑誌の猥雑で安い 誌面を見せられているような居心地の悪さを感じました。
いろいろと衝撃的な題材(宗教・下着盗撮・近親相姦・リストカット・暴力などなどてんこ盛り)を扱っているものの、どれもこれも「お金がないなりにもうちょっとやりようはあるだろう」と思わせる安っぽさ。エロもグロもカルトもキライじゃないけど、あまりに安くそして浅いので面白くありませんでした。中二病っぽい。というひとことに尽きるます。

各方面で大絶賛の理由も全くわからないのだけど、もしかしたら私がギブアップしたあとの数時間にその秘密が隠されているのかもしれません。とはいえ、4時間の大作って言う触れ込みで、開始1時間半経っても面白くなかったら、なかなか最後まで観る気にはならないのが大人というものであります。

SEX AND THE CITY

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やっと鑑賞。もともと、シーズン開始当初よりドラマシリーズを観続けていたんだけど、どうも映画を観る気にならず。こんなに時間が経ってからの鑑賞となってしまいました。

結論から言うと、ドラマシリーズのファンへのサービスということのほかに、CGで主演女優のシワを消してまで映画化する意義の見当たらない映画、というかんじでありました。

ドラマシリーズは一話30分という制限のなかに、恋愛に関わるひとつの命題を掲げ、それをドラマ仕立てで考察していくというもので、命題の着眼点の鋭さが共感を呼んで大ヒット。
で、大ヒットして予算が膨れ上がって、登場人物のライフスタイルやファッションにも注目が集まり・・・というあたりから何かがおかしくなったと私は思っています。
シーズンを重ねていくうちに、当初のソリッドなスタイルは忘れ去られてしまい、登場人物の人生主体のメロドラマに変容してしまい、これじゃただのメロドラマじゃないか・・・と視聴者のイラだちが募り始めたあたりで終了、という、ある意味で上手な幕引きがありました。

という風に、SATCの魅力を私は見ているので、これといった命題をベースラインとせずに2時間の平凡な恋愛映画として仕上げた今作は、本来SATCが持つ最大の魅力の真逆を張った作品になっている、という感想を持ってしまったのでありました。

登場人物のその後を知るという意味ではテレビシリーズのファンにとってはとても楽しく、豪華なアウトフィットも見ていて楽しくないことはないですし(モゴモゴした言い方なのは、わたしがパトリシア・フィールドの大仰なスタイリングが好きではないからです)、もうひとつのテーマとなっている「女の友情」を示す描写には、素直にいいなあと思わされます。だけどこれらの要素って、ドラマの2時間スペシャルで十分だと思います。ドラマとして楽しんで観ることはできたのだけど、劇場で見なくて良かった、とも思いました。

で、もっと個人的な意見を述べるならば。

40代の女性がウェディング前にはしゃぎすぎて、相手の男のマリッジブルーに気付かずに暴走した挙句、男に逃げられるっていう流れはちょっと悪趣味です。

トップメゾンのウェディングドレスや、ロサンゼルスのコンドミニアムや、アッパーイーストサイドのアパートメントといった豪華な小物や装置に騙されてしまう人は多いかもしれないけど、そういったシュガーコーティングを取ったら、かなり悲しい展開ではないかと思います。
もともとは、キャリアを手にした30代・40代のシティガールのクールな独身生活、がモチーフであったはずなのに、はしゃいだオバさんの結婚狂騒曲、という体になっているのが残念です。

「いろいろあったけど幸せになった」と「アホだけど幸せになった」では、随分印象が違います。

30代の魅力ある女性の独身生活、っていう、微妙な対象をモチーフにして、さらにそれをひとつの"アリ"なスタイルとして世に浸透させたという偉業を成し遂げたドラマの最後の"締め"がこの映画だというのは、あまりにももったいない話だなあと思う次第です。

なんだか文句ばっかりみたいになっちゃったんだけど、シーズン1からずっと観ていて、(途中までは)すごく好きなドラマだっただけに残念なんです。恋愛映画・ドラマ全般を好まないわたしにも楽しめる稀有なドラマだったからこそ、映画も「ほう!」となれるものであってほしかったです。

スポットで良かったこととして、主人公のアシスタント役で登場する、ジェニファー・ハドソンがとても魅力的でした。他の出演作品もぜひ観てみたいと思わされます。
あと、シャーロットの養女のリリー役の女の子もとってもとっても可愛らしかったです。

蛇足だけど、SATCは登場する4人の女性のキャラクターも社会的なポジションもバラバラ(ハイ/ローではなく、ハイな部分で横にバラバラ)なので、英語の口語表現の勉強になります。あと、それぞれのキャラクターのインテリアが素敵なのでなにかと参考になります。
そういったオマケ的なお楽しみも含め、ドラマシリーズはシーズン4あたりまでがおすすめです。

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★★★


SEX AND THE CITY [THE MOVIE]


SEX AND THE CITY season1

1960年代のアメリカで許されざる恋に落ちてしまったふたりのカウボーイのおはなし。アカデミー作品賞最有力候補、といわれつつもテーマが同性愛のために「クラッシュ」に作品賞を譲る結果になった、と監督自身がインタビューで語っていたりしたので気になる作品でした。やっと鑑賞。

主人公ふたりが同性愛者である、ということにはあんまり意味がありません。「その時代においてありうる限りもっとも困難な恋愛をする者たち」という意味で同性愛者が物語の主人公になっているのだろうと思います。原作を読んでいないので、もともとの小説の意図はわかりませんが、映画を見た限りではそう感じます。なので、ロミオとジュリエットと構造を同じくする悲恋の物語、として私は観ました。

で、そういう物語の好き嫌いとなると完全に好みの問題で、そもそもまっとうな恋愛映画をあまり好まない(ひねくれ者の)わたしとしてはいまひとつ盛り上がるものがありませんでした。

もうちょっと恋愛以外の要素があるのかと思ったら、そうでもなくて、完全なる恋愛映画だったので、うーん、なんかちょっと、騙された気分。カウボーイハットで、恋愛映画の甘い要素がカモフラされていて、それにまんまと騙されて観てしまった、というようなそんな気分。

ジェイク・ギレンホールもヒース・レジャーも大好きな役者だし、作中の複雑な感情表現も上手だなあって感嘆します。ワイオミングの雄大な自然の美も素敵です。良い映画だと思いますが、好みには合わなかった、という感じです。

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★★
「その名にちなんで」のミーラ・ナイール監督作品。
インドの中流家庭の一人娘の婚礼と、それにまつわる人間模様のドラマです。

インドの湿気た空気感まで伝わってくるような色彩とカットワークがとても素敵です。あと、随所にドタバタしたドリフ的なシーケンスと、マサラムービー的なダンスと音楽のシーンがさりげなく挿入されるのも可愛くて好きです。

家族愛が一応のテーマとして起承転結を支えてはいますが、メロドラマ的なストーリーなので、エンターテイメント性は薄いです。それでも魅力ある映画だと感じる理由には、インドのモンスーンの季節の美しさの切り取りと、そこにある人のいとなみの温かみの活写があるからだと思います。監督自身の、ふるさとと風土への深い愛情を感じます。詩情とおもむきのあるすてきな映画だと思います。

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★★★

SAYURI

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日本を舞台にした日本人のおはなしを英語で映画にすることの難しさよ。花柳界のことばの、日本語を使う / 英訳して使う、の線引きにジレンマがあったと見えて妙な科白が多い。映像はとてもきれいでロマンティックだけど、やっぱり原作のほうが繊細な魅力があって好きだなあ。

オーシャンズ12

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お衣装が素敵すぎ(ジョルジオ・アルマーニ)てため息。11より好き。個人的にオーシャンズ~は、オシャレ映画というくくりです。
ソフィア・コッポラに次ぐガーリームービーの旗手とか言われてるけど、その評価にかなり違和感を感じてしまいました。脚本や映像は、一見するとそんな雰囲気かなあというかんじなんだけど、刺さらないというかわかりやすすぎるというか、ガーリームービーの一番の魅せどころは「名状しがたい感情をきれいに映像化する」ということだと私個人は思うのですが、その点で物足りなさを感じました。

しかし何といっても気になるのはヒロイン。監督本人演じるヒロインが、落合家の福嗣くんのようなルックスでなあ・・・。やっぱ映画における見た目は大切だとおもいます。

ブラック・ダリア

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ジェイムズ・エルロイの「LA三部作」の待望の映画化。映像として観て、個人的にはあまり感じるところがなく、「ナイロビの蜂」とは対照的に、”映画化する意義”をあまり感じませんでした。が、映画の位置づけとしては、”ザ・ハリウッド映画”だと思うので、原作から離れて単純にサスペンス・エンターテイメントとして観れば、退屈しない映画ではあると思います。

公開前から話題だった、2大女優について少々。スカーレット・ヨハンソンの演技が素晴らしいと思いました。普段の言動やパパラッチされる姿などの印象で「キレイだけどバカっぽい人」という印象を持っていたのですが、役者としてスクリーン越しに観るとまるで別人。天性の女優なのだなあと思いました。時を近くして、スカーレット主演の「ロスト・イン・トランスレーション」を観たのですが、やはり同じ印象を持ちました。一方で、ヒラリー・スワンクのグラマラスな役どころにムリがありすぎてちょっと見ていていたたまれない気持ちになりました。素晴らしい役者なだけに、もったいないキャスティングだと思います。

ユナイテッド93

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911テロ時に墜落した飛行機のうちの一機、UA93が墜落するまでをものすごく丁寧に残酷に再現した映画です。BGM はもちろんなく、時間軸と状況説明のためだけに編集が行われ、心温まるエピソードなどの恣意的な演出も当然ナシ。そういった点では、映画手法的に非常にアバンギャルドな作品だと思います。けれども確実に、哀しみや空しさが心に刺さります。911 に関する報道において「アメリカ国民は傷ついた」というような表現がわりと頻繁に使われているのを見て、「そういう表現をするのだなあ」と漠然と新鮮な気持ちになったものでしたが、この映画を観て「国民が傷つく」という言葉の真意を垣間見たような気になりました。

映画を観ていて「真空状態」を体感したような気分になったのは初めての経験でした。すさまじい緊張感で頭が痛くなりましたが、観て良かったと鑑賞後に思いました。傑作だと思います。

プラダを着た悪魔

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男にとっての 007 みたいなものか。全体的に少女マンガ的なノリで、とくにメリルストリープのいかにもな演技がおもしろい。そして豪華なお衣装!全てのコーディネイトが夢のようにすてきだった。最後のクレジットの、衣装提供のリストもおもしろくて見入ってしまう。シャネルのニーハイブーツ、欲しいなぁ・・・。

インサイド・マン

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退屈しない脚本、うまくハマるカタルシス、きれいな映像、豪華なキャスティング。上質なんだけど印象に残らないという残念な一本。好みの問題ですな。
個人体験とシンクロして沁みた。全世界の(ピンからキリまですべての)トロフィー・ワイフや、(嫁が若くてぼんやりしたかんじの)年齢差夫婦のためにある名作ではないかと。舞台が北京だろうがハノイだろうが、同じように沁みたと思う。スカーレット・ヨハンソン、ビル・マーレイの演技もとても良くて、微妙な感情だけで成立している脚本を、演技として残した俳優たちと、映像として切り取った監督はすごいなあと思った。ソフィアはやっぱ天才(断言)。

ウェザーマン

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脚本がニコラスケイジ向けではなかったような気がする・・・けどどうだろう。個人的に、弱虫とクールの同居する中年を演じるニコラス・ケイジが好きなので、そう感じました。
素晴らしい。展開の緊張感の緩急が絶妙です。ナイロビの蜂同様に、ややこしい状況と時系列の処理が見事。映像そのものもなまなましくてビューティフルです。強烈で重いテーマなので、笑ってのんきに観るという感じの映画ではないし、後味も良くはないのだけど、観終わった後に不思議な充実感がありました。

ナイロビの蜂

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原作に忠実なつくりながら、カットワークと、状況や時系列の処理が見事なので、原作以上に訴求力があった。「映画化する意義」を全うしていると思います。アフリカの映像もほんとにきれいだったり恐ろしかったりで圧倒されます。物語としてはけっこう複雑なので、先に原作を読んでおくとよりわかりやすいと思います。

レイヤー・ケーキ

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ドラッグディーラーの悲喜こもごも人生譚インザ UK 。スリリングなクライムムービーというよりは、ボヤきも織り交ぜつつのまったりした展開なので好みの別れる感じではあります。でも UK ギャング映画は、他国のそれと比べて圧倒的にスタイリッシュなので、ダニエル・クレイグのPVとして観ればけっこう楽しめるのではないかと思います。

ロールバウンス

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70年代を舞台にした、ローラースケート(SOULSKATEというやつですね)に青春をかける黒人少年たちの映画。家族愛とか甘酸っぱい感じとかも盛り込んで、青春映画という体裁になってはいるんだけど、んー、いい意味でPVだなあと思います。70年代カルチャーのPV。音楽がこの時代のディスコクラシックまみれで、観ていてほんっと楽しいです。ダンスクラシックの楽しさと哀愁がたっぷり。

フーリガン

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イライジャ・ウッド主演の青春映画、と言うとなんかすごく・・・ルサンチマンと自己解決の退屈な映画なかんじしますが、とんでもない!めちゃくちゃおもしろかった。イギリスの不良が好きな人には絶対おすすめ。なんてバカでなんてブサイクでなんてかっこいいんだイギリス人!

ワイルドスピード3

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本編よりもメイキングのほうが面白い不思議な映画。俳優はなんだか変な顔の人ばっかりだし、ストーリーもへんてこりん。でもレースのシーンだけはほんとにカッコイイので、これは「ドリフトの映画」なのだから筋や演技については追求しなくて良いのです、と、思わず納得してしまうような感じです。
公開時に劇場で観たのですがDVDで再鑑賞。謎解きが最高に面白い映画。わたしは自力では謎を解けずに、人様の解説を参考にしたのですが、謎を理解したうえで観るとさらにさらに面白くなる映画です。デイヴィッド・リンチのサイコな映像手法・ハリウッド一流のロマンチシズムに、モダンな味わいが加わった、パーフェクトな作品だと思います。

21グラム

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ナオミ・ワッツ、ベネチオ・デル・トロ、ショーン・ペン、という名優揃い。プロットもキャスティングもすんばらしいクオリティでした。重たいテーマだしやるせない気持ちでいっぱいになるストーリーですが、観るべきだと思いました。それにしてもナオミ・ワッツは引きの悪いブロンドを演じると天下一品。

ル・ディヴォース

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ケイト・ハドソンとナオミ・ワッツ主演のロマコメ。ナオミ・ワッツは相変わらず不幸なブロンドを演じ、ケイト・ハドソンは相変わらず奔放で気のいいブロンドを演じる、そんな映画。それにしても、アメリカ人がパリで滑った転んだする映画を作ろうとすると、宿命的と言って良いくらいダサい雰囲気になってしまうのはなぜなのだろう。

グッドガール

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ジェニファーアニストン扮する、生活に疲れた人妻と、ジェイクギレンホール演ずるナイーブで独りよがりな文学青年の不倫ばなし。陰鬱な感じがなかなかリアルでよろしかった。ジェニファーアニストンって、フレンズの印象がとにかく強いんだけど、シリアスでちょっと陰のある役どころも似合う女優さんなのだなあと思った。そしてジェイクギレンホールはほんとに変化自在。徹底的にウザい若者の演技がすごく巧くて、もともとはとても屈託ない明るいイメージの人なだけに驚いた。すごい俳優になりそうだなー。
すごい映画ですた。老トレーナーと女性ボクサーの栄光と挫折の物語・・・とか言っちゃうと陳腐な感じですが、実際テンプレ通りのストーリーです。展開が読めないハラハラドキドキ感はゼロで、こうなるんだろうなぁと予想するとおりにストーリーは展開します。最初から最後まで、クリシェのみで展開するストーリーと言ってもいいくらい。と、言うとつまんない映画のようですが、そうではなくて、クリシェだけで観客を泣かせる映画なんです。アスリートとマネージャーの栄光と挫折っていうテーマは、映画だけじゃなくて、マンガや小説でも題材としてほんとにたくさん扱われているだけに、一定のレベルのものにすることは、パターンを熟知していればわりとラクなことですが、逆に頭ひとつ飛び出るようなそれこそアカデミー主要4部門を総なめにするようなレベルのものにするのはすごく大変なことだと思います。基本的な料理をおいしく作るのがとても難しいのと同じで。それをやってのけたクリント・イーストウッドはやっぱりすごい監督なんだと思います。

クリント・イーストウッドとモーガン・フリーマンの演技がすごいのはもちろんなんだけど、ヒラリー・スワンクがとても良かったです。美人ではないんだけどとても魅力的。なんか馬に似てるなーと思ってたけど、私はこの作品で彼女のファンになりました。こぼれ話ですが、ヒラリー・スワンクはアカデミーの受賞直後に、レッドカーペットで着ていたドレスのまま、そこらへんのファーストフードでハンバーガーを齧っている姿がパパラッチされてました。しかも傍らにトロフィーを置いて。かっこよすぎてしびれます。

おまけに、私の大好きなトレイラートラッシュ(南部の貧乏白人です)がアホなことを言いまくってたり、ヒラリースワンクの筋肉が超クールだったり、モーガン・フリーマンのちょっとした見せ場が老人愛にはたまらなかったりで、超個人的に好みな映画でもあったりしました。

かなりブルーなストーリーなので、好みは分かれるところ(女性にはあまり受けないかも・・・)ですが、しっぽり気分の週末の夜とかにオススメの映画ではないでしょーか。

Author

映画と猫と旅行が好きな
70年代後半うまれの女性

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