fantasy: August 2005 - Archive

バットマンビギンズ

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「インソムニア」「メメントの」のクリストファー・ノーラン監督がバットマンを撮る!とか、渡辺謙が出演!とか、何かと話題だったバットマンビギンズですが、個人的には「アメリカン・サイコ」でヤッピーのサイコ殺人鬼を演じたクリスチャン・ベイル(最近では「マニシスト」の役作りでの30kg近い減量で話題になりましたね)がバットマンを演じるということにつられて観にいきました。

結論から言うと、私的には映画としてはイマイチでした。もともと私はストーリーにはさほど重きを置かずに映画を観るタイプなのですが、それでも筋の詰めの甘さが気になりました。バットマンがいかにして生まれたか、というテーマである以上もうちょっと頑張ってほしかったなーと思ってしまいました。インソムニアで繊細な心理描写を見せた監督なだけに残念。監督の罪ではありませんが、字幕がやぼったいのもテンション下がりました。

で、ヒーロー映画に不可欠な、ヒーローそのものを魅せる、という部分についてもちょっと物足りない感じ。サム・ライミのスパイダーマンと比べると明らかに物足りない気がします。監督のタイプが違うので仕方ないですけど。

さらに言うと、ヒロインが気に入らない・・・ってコレは明らかに好みの問題ですね。ケイティー・ホームズといえば、昨今トム・クルーズとの熱愛報道でアメリカのタブロイド誌を賑わせている女優ですが、彼女の最近のパブリックイメージと役柄の自立した女性像がどうもしっくり来ない気がして。トムに釣られて新興宗教(サイエントロジー)に入信するわ、トムに言われて仕事は蹴るわ、トム・クルーズ本人もケイティとの交際報道以降は奇行が多いし・・・という。なんかキモチワルイ女優だなーというのが私の個人的なケイティ感なので、ヒロインとしては気にいらないという感じになったのでした。

そんなこんなで映画としてはけっこう不満ではありますが、ディティールを観ると良い部分もあって、例えば、マイケル・ケイン演じる執事がいい味だったり、バットモービルがエライことになってておもしろかったりするので観ていて退屈、ということはありませんでした。それに、なんだかんだいいつつも、クリスチャン・ベイルのPVとして観るとパーフェクトな仕上がりなので私は満足なのです。ムフ。

Mr.インクレディブル

| | TB-0
恥ずかしながら、初めてのpixer作品です。が、間違いなく2005年度にTV・劇場で鑑賞した映画の中で抜群に面白かった映画です。

元ヒーロー一家の冒険活劇アニメーション。単純明快にして健全なストーリーです。よっぽどひねくれた人間でなければさわやかに楽しむことができるはず。キャラクターの肉付けも良く練られているので、誰もが「このキャラクターが一番好き!」っていうキャラを見つけられるようになっています。(←このへんはディズニー仕込みの巧さだなーとおもいます)で、もちろん基本ターゲットは家族連れなので、子供が退屈しないカラフルさとテンポの良さに加えて、大人も楽しめるしんみり感とちょっとした小ネタも盛り込まれています。

私がスゲー!と感じたのは、CG技術がきちんとストーリー上の演出として効果的に機能している、ていうことでした。それって当然では?と思うかもしれませんが、実際はそうでもないと私は思っています。CGアニメーション映画の陥りがちな失敗に、「こんなに技術があるんです」というアピールに終始してしまって、技術の持つ効果を生かしきれないということがあります。たとえばファイナルファンタジーの映画版。「髪の毛100万本を手描きしたった!」と威張ってみたものの「へー」で終わってしまったという。技術力だけでは感心はされこそすれ感動はされないのですね・・・。
で、私がインクレディブルを良いなあって思ったのは、「こういう映画を作りたい」という明確な野望(?)があって、その野望を果たすために高い技術が用いられるってことであり、高い技術があるから「こういう映画を作りたい」っていう野望を抱くことができるっていう、志しと技術の良いバランス関係があるからなんですね。クラフトマンシップというか、職人魂というか、そういうのがカッコイイなーと思いました。

おまけに、DVDの特典映像が秀逸。興味深いメイキングもさることながら、おまけのムービーが楽しい!普段は特典映像は観ないで終わってしまう人も、インクレディブルの特典映像だけは観てほしいなーと思います。

Author

映画と猫と旅行が好きな
70年代後半うまれの女性

★Stars

★★★★★
何度でも観たい。
★★★★
おすすめ。
★★★
悪くない。
★★
人には薦めない。

観なきゃ良かった。

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