drama: February 2009 - Archive

1960年代のアメリカで許されざる恋に落ちてしまったふたりのカウボーイのおはなし。アカデミー作品賞最有力候補、といわれつつもテーマが同性愛のために「クラッシュ」に作品賞を譲る結果になった、と監督自身がインタビューで語っていたりしたので気になる作品でした。やっと鑑賞。

主人公ふたりが同性愛者である、ということにはあんまり意味がありません。「その時代においてありうる限りもっとも困難な恋愛をする者たち」という意味で同性愛者が物語の主人公になっているのだろうと思います。原作を読んでいないので、もともとの小説の意図はわかりませんが、映画を見た限りではそう感じます。なので、ロミオとジュリエットと構造を同じくする悲恋の物語、として私は観ました。

で、そういう物語の好き嫌いとなると完全に好みの問題で、そもそもまっとうな恋愛映画をあまり好まない(ひねくれ者の)わたしとしてはいまひとつ盛り上がるものがありませんでした。

もうちょっと恋愛以外の要素があるのかと思ったら、そうでもなくて、完全なる恋愛映画だったので、うーん、なんかちょっと、騙された気分。カウボーイハットで、恋愛映画の甘い要素がカモフラされていて、それにまんまと騙されて観てしまった、というようなそんな気分。

ジェイク・ギレンホールもヒース・レジャーも大好きな役者だし、作中の複雑な感情表現も上手だなあって感嘆します。ワイオミングの雄大な自然の美も素敵です。良い映画だと思いますが、好みには合わなかった、という感じです。

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★★
「その名にちなんで」のミーラ・ナイール監督作品。
インドの中流家庭の一人娘の婚礼と、それにまつわる人間模様のドラマです。

インドの湿気た空気感まで伝わってくるような色彩とカットワークがとても素敵です。あと、随所にドタバタしたドリフ的なシーケンスと、マサラムービー的なダンスと音楽のシーンがさりげなく挿入されるのも可愛くて好きです。

家族愛が一応のテーマとして起承転結を支えてはいますが、メロドラマ的なストーリーなので、エンターテイメント性は薄いです。それでも魅力ある映画だと感じる理由には、インドのモンスーンの季節の美しさの切り取りと、そこにある人のいとなみの温かみの活写があるからだと思います。監督自身の、ふるさとと風土への深い愛情を感じます。詩情とおもむきのあるすてきな映画だと思います。

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★★★

Author

映画と猫と旅行が好きな
70年代後半うまれの女性

★Stars

★★★★★
何度でも観たい。
★★★★
おすすめ。
★★★
悪くない。
★★
人には薦めない。

観なきゃ良かった。

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