ワイルド・スピード ユーロミッション ★★

街の不良が世界を救うっていう設定に無理がありすぎ。
ワイルド・スピードシリーズ、どんどん話がでっかくなってるけど今後どう話を展開してくつもりなのだろうかと心配になりました。でもアクションが景気よくてロック様(ドゥエイン・ジョンソン)がかっこいいので★ふたつ。

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GIジョー バック2リベンジ ★★

はからずもロック様映画二連発。
観たというと、かならず何故観たのかと人に聞かれてしまうかわいそうな映画。無理のある設定、回収されない伏線、強引なブルース・ウィリス使い(最近のブルース・ウィリスってなんかそう表現したくなる存在感だと思う)、自己満足的なアクション・シーン...と、そのような扱いもやむなしという感じではあったのでかわいそうだけど仕方ないかなという気も。でもアクションが景気よくてロック様(中略)なので★ふたつ。

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モンスターズ・ユニバーシティ ★★★★

モンスターズ・インクの前日譚という前提があるので、世界観は既知のものなんだけど、大スターのバックステージを垣間見るような興奮。前作で「もっとモンスター見たいなー」って思った人ってたくさんいたと思うんだけど、そんな人の一人であるわたしにとって、すっごく楽しい映画でした。
ストーリーとCGについての感想を書きたかったんだけど、「ウィークエンド・シャッフル」で宇多丸さんが正鵠を射まくった解説をされていたのを聴いていたので、どう書いてもパクリになってしまって書けませんでした。

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ハングオーバー3 ★

大失速したなあという印象。バカバカしくて面白みのある描写は減って、悪趣味で笑えない描写(動物虐待や善人の死を笑いのネタにしてた)が多くて好きになれなかった。バカ映画じゃなくて愚かな映画に成り下がった感じ。
そしていつの間にか世間的に「酔っぱらって観る映画」ということになってたらしくて、劇場でマナーの悪い客がやたら多かったのも嫌な感じだった。B級映画好きから、バカな酔っぱらいに客層がシフトしたのも頷ける作品レベルの低下っぷりでした。

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アウトロー ★★★★

全く先の読めないサスペンスで大変おもしろかった。んだけど、感想がふくらまない...。人にはおすすめしたいんだけどなぁ。
トム・クルーズはこの作品の撮影中に、ケイティに離婚を切りだされたのか...とか俳優的には迷惑千万なことを考えながら観た。

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恋のロンドン協奏曲 ★★★

ロンドンでいろんな年齢層の男女が恋心というものに振り回されるおはなし。ウディ・アレン映画に多めの「成就しないラブコメ」です。ひねくれた大人におすすめ、ですが、ウディ・アレン映画の中で順位をつけるとそこまで高得点というわけではないかも。
ウディ・アレン映画って、キャラクターと俳優がこれ以上はないくらいマッチするときと、いまひとつ噛み合わないときの差が激しいと個人的に思います。で、今作については後者かなという印象。この作品についてはとりわけキャストが豪華(ナオミ・ワッツ、アンソニー・ホプキンス、フリーダ・ピントなどなどなど)なだけに、その点が強調されてしまったような気がします。

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ベルリンファイル ★★★★

緻密な構成・無駄のない映像・骨と骨がぶつかりあうようなアクション、どれをとっても素晴らしかった。登場人物のルックスが徹底して地味、物語が進行する世界もカサついていて殺風景、なのが厳しい展開を際立てて、すごい緊張感でした。
現実の重みを感じさせられる、後味の悪い結末にもずしっと来る良さがありました。
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立候補 ★★★★

大阪府知事選のドキュメンタリー、というかマック赤坂を始めとした泡沫候補密着ドキュメンタリー。候補者たちの強烈なエネルギーが、映像によって濾過されることなく、そのまま筒抜けで伝わってくるような圧倒的で強烈な映画でした。

いろんな泡沫候補にフォーカスしてそれぞれをポップにフレンドリーに切り取りつつも、徹底して第三者的なカメラの視線には、何かぞわっとするものがありました。透徹した目線に対する本能的な恐怖と言うか、顔は笑ってるけど目は笑ってない人への恐怖というか。そんな目線でカメラを回した監督が今後どんな映画を撮っていくのか、とても楽しみです。

マック赤坂の選挙活動が主軸となっているだけに笑い要素が多いんだけど、最後に何故か泣けてくる不思議な映画でもありました。たとえそれが他者の理解を得られないものであるにせよ、人間が何かに対して全力で取り組んでいるさまは人を惹きつけるドラマなのですね。

しかしマック赤坂ってかなり確信犯的な奇人なのですね。映画としても面白いけど、イロモノ候補のバックステージを垣間見る面白さもあって東京・大阪に在住の方には特におすすめです。

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パシフィック・リム ★★★★

ビジュアル100点おはなし4点、みたいな映画。でもあまり多くを求めずに、「おれはここが好きだ!」「いやわたしはここが!」みたいなことを人と言い合う面白みのある映画としておすすめしたいです。
物語はもうちょっと練りようがあったのでは、とか、凛子さんの棒読みは大丈夫なのか、とかいろいろ思うところはありますが、イェーガーがタンカーで敵をぶっとばす場面(予告編にも使われてたところ)が最高だったのでわたしは満足です。私もイェーガーに乗ってタンカーをフルスイングしたいです。

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ワールドウォーZ ★★★★

直前までゾンビ映画と知らなかった...。世界を守るか家族を守るか、愛の物語(泣けるよ)、みたいな切り口でPRされてたので。配給会社にもいろいろ事情はあるんだろうけど、あんまりにも本来の映画のあり方と違う打ち出しはよろしくないと思います。ブラピ対ゾンビの映画でございます(特に泣けないよ)、って最初にはっきり言ってくれたらもっとハイテンションで観に行ったのに!
で、ブラピ対ゾンビなので当然大変おもしろかったです。ゾンビがなんかもう蟻塚みたいに大量にうわーーーって出てくるところとか最高。

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スタートレック イントゥダークネス ★★★★★

JJトレックが好きで、ベネディクト・カンバーバッチとサイモン・ペグが好き、な私としてはとてもとても楽しみにしていた映画。この夏観た映画で文句なしに一番好き。

観るもの各々の好みをくすぐるように、様々な要素がぎっしりと詰め込まれたビジュアルとストーリーにびっくり。どんな偏屈な人が観ても、必ず一瞬は「おっ」と思う場面があるんじゃないかなと思います。色々盛り込んでいながら、軸がブレることなく、テンポよく画面と物語が展開します。ややこしい設定を、説明臭い描写抜きで、観る者にさくっと理解させる構成の巧さもすごいなあと思いました。

笑ったりハラハラしたりホロリとしたりしてるうちに映画は終わるのですが、鑑賞後に振り返るといかに「何が何でも全員を楽しませる」という力強い信念に貫かれた映画であったかを実感します。
全ての人を楽しませる、ということは、誰をも傷つけないということにもつながっていくわけで、良心的な、あるべき形をとった娯楽映画だと思います。観終わってからでないとそういうことには思い至らないけど、大事なことだと思います。

それにしてもとにかくベネディクト・カンバーバッチがかっこよすぎて口から魂が抜けそうになりました。

2月から5月って。長すぎる。
あとそろそろMTをバージョンアップしないとつらい。

ダイハード ラスト・デイ ★★
適当な映画だったなあ。爆発とかカーチェイスも勢いまかせってかんじで。固定ファンがある程度いるとはいえこんな流し打ちで良いのだろうか。この映画の一番良い所を述べよといわれたら「予告編です」と答えます。
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ゼロダークサーティー ★★★★★
2013年自分的に早くも最高の一本。ハート・ロッカーが最高だったので超期待してたんだけど、期待以上にすごかった。怒り・恐怖・執念・緊張ががっちりと組み合って、観るものの首根っこを捕まえて離さないような映画だった。とくにラスト20分は歴史に残る緊張感だと思う。何の映画を観てるのかわからなくなるくらいの没入感があった。
昨今は「映像体験」なんていう常套句が用いられるけども、この映画を観るという行為は純粋に「体験」だと思う。
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キャビン ★★★★
終盤10分間に全ての魅力が詰まった一作。純粋ホラーだしゴア描写もそれなりにインパクトあって怖いんだけど、それがすっ飛ぶくらい最後10分のインパクトがすごい。ホラー映画を構成する要素の中で最も大事なもののひとつはオチ(ストーリー的にも映像的にも)だと私は思うんだけど、そういう意味で最高のオチです。
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クラウドアトラス ★★★★
ウォシャウスキー兄弟(もしくは姉弟)なので期待、でもハル・ベリーなのであんま期待できない、いやしかしペ・ドゥナなので期待、というそんななんとも言えない気持ちで観たんだけど面白かった。原作のある作品なので面白さの半分は原作の功績なんだけど、やはりウォシャウスキー兄弟の映画のディティールには他人の夢を覗くロマンがある。
もろもろの設定はいわゆる中2病的なものなのでそれを良しとするかどうかで評価が分かれると思うけど、とってもロマンティックな映画なので、デートムービーとしてこれを選ぶと文系のカップルは良い感じに盛り上がるような気がします。
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ジャンゴ ★★★
クリストフ・ヴァルツを観に行くような気持ちで観に行きました。タランティーノ映画って色んな人が色んな感想を述べ愛でているので逆に何も言うことがないというか。
おもしろかったけど、私はイングロリアス・バスターズのほうが針が振り切れている感じで好き。人種差別という現在進行形の問題は、タランティーノといえども豪快に扱うには限度があるんだなと感じました。
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アイアンマン3 ★★★★
アイアンマンは劇場に観に行くとちょっとしたオマケがもらえるので楽しいです(今回はクリアファイルでした)。文句なしに面白かった、という感触は残ってるんだけど、中身を皆目覚えていないという点では前作前前作と同じ。でも何度観ても楽しめるからそれはそれで良いよね。
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ホーリーモーターズ ★★★★★
レオス・カラックス最新作。なんかひとりよがりでわかりづらい映画だったらどうしよー、と思いつつ観たら超傑作だった。観ているときは泣かなかった(というかそもそも泣かせる映画ではない)んだけど、あとで振り返るとなんだか泣きたくなるような映画。
ストーリーはない(と言い切ります)し、スクリーンの中で何が起こってるのかもよくわからない、んだけどそこに感動がある不思議。時間が流れ出来事が移ろうという事象のカラックス的解釈である不思議な映像に、観る者の人生観が投影された上でようやく映画が完成するような感じ。この感覚はちょっと得難いものだと思う。
あと、「TOKYO!」にも登場したメルドさんが出てくるのでメルドさんファンは是非。
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死霊のはらわた リメイク ★★★
こーわーかーったーーー。怖い痛い気持ち悪いの三拍子が揃った正しいホラー。でもオリジナルの半笑い感もちょっと入れてほしかったなぁ。
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ジャッキーコーガン ★★★
町山智浩氏のツイートによると「サブプライムローンをギャングの賭場荒らしに象徴させたアメリカ経済の話です。それがわからないとつらいです。」とのことでしたが、それがわからなかったのでつらかったです。つらいというんでもないけど、上記ツイートを先に読んだ上で観たかった。
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オブリビオン ★★★
ブロンドのクリーンな感じの美女が袖にされ、ブルネットのちょっとクセのある美女とくっつくというトム・クルーズ展開でした。
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イノセントガーデン ★★★★
ど変態映画が好きな人は是非。死とエロスと少女性という、文系男子にはたまらないであろう題材。パク・チャヌク映画は「渇き」以来なんだけど、渇きの冗長な感じがちょっとなくなって、よりわかりづらくより変態的になったという感じ。インパクトのある作品だとは思うけど、この監督はこの先もっとコンパクトで鮮烈な映画を撮るような気がするので、何かの過程の映画という感じがする。あと、「渇き」でもそう思ったんだけど衣装がとてもとても素敵。地味なんだけど可愛くて大好きな感じでした。
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グレート・ギャツビー ★なし
フィッツジェラルド好きには辛い映画だった...。フィッツジェラルド作品の最たる魅力である、廃頽とエレガンスはどこにも見当たらなかった。映画の原作としてのポテンシャルが無限大の小説(だと私は思っている)なのに、けばけばしくどたばたした映画になってしまっていて本当に残念。バズ・ラーマンが監督という時点で確かにある程度想定できることだけど、まんま極彩色でギャツビーの世界を作ってしまうとは思わなかった。もう少し抑制が効いたものを想像してたんだけど。

アメリカ東部・フラッパー・第1次世界大戦後のアメリカの狂躁、というフィッツジェラルドをフィッツジェラルドたらしめているキーワードにまともにフォーカスすることなく、単なる添え物にしちゃったところとか、一体なぜバズ・ラーマンはギャツビーを映画にしようと思ったんだろう???と思います。

あと、とにかくジェイZが絡んだのは大間違い。気持ちはわかるけど大間違い。随所に挟まれるブラックカルチャーへのオマージュはノイズでしかなかった。どんなに編集したってビヨンセの曲でフラッパーは踊らねえんだよ!と言いたい。そこはもうなにをどうしても交わらない世界なので無理すんなと言いたい。それでとっさに思い出したのだけど、マリー・アントワネットでソフィア・コッポラが色々な人種や音楽をミクスチャーして世界観を巧みに構築してたのとは対照的な大失敗でした。

そして衣装がmiumiuなのも大間違い。おおざっぱすぎるフラッパー解釈でコスプレを観てるような違和感。そこはランバンとかサンローランとかさ...少なくともイタリアのメゾンじゃないと思うんだ。miumiuからあれが発売されてたらそれは可愛いし買いたいという気持ちになるかもしれないけど、映画の中で「今季のmiumiuはフラッパーがテーマでーす」みたいな服を衣装として使ってはいけないと思う。

もういろいろ言いたいこと多すぎて辛いです。原作に興味がなく、先入観なしで観た人の感想を聞いてみたいところです。
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【DVD・BDでみたもの】
私がクマにキレた理由 ☆☆☆☆
カレンダーガールズ ☆☆☆
ルームメイト ☆☆☆ サイコさん
プロジェクトA ☆☆☆☆
少林寺木人拳 ☆☆☆
ジャッジドレッド ☆

1月に観た映画メモ

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Ted ★★★★★
最高ー。テディベアがしゃべって歩くってだけで確実に稼げるポイントがある、ということに寄りかからずに作られた隙のないコメディ。
でもなんか、字幕がなあ...。町山智浩が字幕の監修を行ったということなんだけど、そこは別に日本語ローカライズしなくてもいいんじゃっていう固有名詞が鼻についた。そこだけが惜しい。
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息もできない ★★★★★
評判が良いと知っていたとはいえ、びっくりした。傑作だった。
あるポイントで後頭部を殴られたように涙が出た。
徹底した救いのなさと暴力的なまでのリアリズムが全体を貫いていて、観ていてかなりしんどいものがあった。でも、その厳しさが、観る者の首根っこを捕まえて映画の中に引きずり込む力になっている。
原題をそのまま和訳すると「クソバエ」だそうで、それもすごい。
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ヤング≒アダルト ★★★
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フロム・ダスク・ティル・ドーン ★★★
おもろい!とかすげえ!とか感想はいろいろありますが、参加したい!が一番。
あとこの作品におけるサルマ・ハエックがわたしの一番好きなサルマ・ハエック。
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アメリカの災難 ★
全体的に流し打ちって感じの映画。ベン・スティラーって好きでも嫌いでもなかったんだけど、なんか量産型のイイ話風ドラマ映画に出過ぎていてどんどん冴えないイメージになってきた。
濃い顔・小柄・コメディも上手な俳優というポジションって、もはやロバート・ダウニー・Jrに完全に独占されてる感じがする。
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ルーパー ★★★★
洗練されたSF。こういうの好き。
ブルース・ウィリスって真顔で出てくるだけでなんか面白いんだけど、知的な雰囲気のジョセフ・ゴードン=レヴィットと一緒だととても良いバランス。この二人が同一人物っていうところがキャスティングの妙だと思う。
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プロメテウス ★★
よくわかんなかったなーこれ。誰?なに?なんで?とか思ってるうちに終わってた。
エイリアンが大好きな人には、すいすい理解できる映画なのかなあ。
エイリアンシリーズは通して観てるけど、この映画には置いてきぼりにされた感じだった。
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ライフオブパイ 虎と漂流した227日 ★★★★★
海!虎!ファンタジー!と、のんきな期待をして観に行ったら良い意味で大幅に裏切られた。海だし虎だしファンタジックな側面ももちろんあるんだけど、映画の肝はそこではなかった。

3Dできれいな映像を楽しんでいたら、最後にぎゅっと絞られるような衝撃があった。
"物語とは何か""信仰とは何か"という、2つの問いが並走していて、そのふたつを巻き込んで、ふわふわしたファンタジーが急速に、漏斗に吸い込まれるように、映画の結末に吸い込まれていくような感じ。

原作もとてもおもしろかった。けど、映画は原作を読む前に観たほうが楽しめると思う。
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SOMEWHERE ★★★★
気が合う人だけが観てくれればそれでいいです、という監督の気概(?)に満ちた小品。
興味のない人にとっては、これ以上眠たい映画もなかろうという感じだけど私は大好き。

ちょっとした風景とか気分とか感触とか、わざわざ人に説明しないような、繊細でごくごく個人的な感覚を、世界規模で配給される映画にのせてたくさんの人に共有させてしまうところがソフィア・コッポラのすごいところだと思う。

主人公の娘を演じるエル・ファニングがすごく良くて、10代のはじめのころの、色々なことに対して取るべき「自分らしい」態度の定まっていない、あいまいな気分の毎日をドドドっと思い出して胸が苦しくなった。
さらには、ハリウッドのシャトー・マーモントに長逗留してる映画俳優で、フェラーリに乗ってて、かっこいくてモテモテなんだけど、なんか孤独。っていう、全く感情移入できない主人公に対してさえ、「あーなんかあるよねこの感じ」とつい思わされてしまうすごさ。

もうひとつ、ソフィア・コッポラ映画すべてに共通する魅力だけど、旅情を掻き立てられる映像もとてもすてき。お天気が良くて空気が乾いていて、あっけらかんとして空っぽなカリフォルニアの雰囲気が伝わってきて、強烈にロスに行きたい、と思った。どの映画からも、舞台となった土地に対する監督の愛情を感じる。そういうところも良心的で好き。
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サイレンサー ★★
殺し屋カップルが、殺しそこねた親子とともに暮らすうちに変化していく物語。
ヘレン・ミレンとキューバ・グッディング・ジュニア演じる殺し屋のカップルがどうにも違和感ありすぎて。この組み合わせに説得力を持たせるような脚本がなかったのが致命的。
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レンディション ★
リース・ウィザースプーンとジェイク・ギレンホールを主軸に、ピーター・サスガード、メリル・ストリープという豪華なキャスティング。それなのにぴりっとしない映画だった。アメリカと中東との関係やテロリズムの問題を映画にする場合、男女の恋愛要素は完全に排除するべきだと思う。たとえそれが本筋に関係のないものだとしても、色恋がちらっと見えた瞬間に、緊張感がぐずぐずに失われてしまうから。

DVDで鑑賞。

37歳でバツイチで元プロムクイーンで現在ぱっとしない生活をしている女性が主人公。高校時代の恋人から、子供が生まれたというお知らせのメールが届いたことで、変なスイッチが入ってしまい、彼に会いに田舎に帰ってうんざりするほどトラブルを起こすお話しです。ちょっと「ノン子36歳」に似てます。

この設定(落ちぶれ美人)は公開時からいろんなところでクローズアップされてるけど、だからといって女性のために作られたような映画ではないです。落ちぶれ美人の映画ではなく、成長しきれていない大人の映画です。落ちぶれ美人はわかりやすいアイコンであって、根本的には、根拠のない自信を決定的に喪失してしまった人が生きる、とても個人的な地獄のお話です。

ヒロインの生活のディティールや人との関わり方は、コメディとも言えるくらいデフォルメされているのですが、私は「こんなやついねーよ」と笑うことはできませんでした。正しく成長し、自意識を持て余すことなく生きている人だけが、このヒロインの愚かさを異次元のこととして笑うことができるのだろうと思います。

カメラの視点は徹底的に意地悪で、容赦なくヒロインのみっともなさをクローズアップします。ヒロインを演じるシャーリーズ・セロンはものすごい美人なのに、キャラクターの愚かさが先にたって美人であることを忘れてしまうほどです。その視点を作った監督も、持っている美しさを越える愚かさを演じたシャーリーズ・セロンも、すごい才能だと思います。

最終的に、ヒロインが愚かなりに自分に折り合いをつけて映画は終わるのですが、そこに救済はありません。ただただどうにか折り合いを付けるだけ。説明描写は全くないのですが、「ああ、こうやって折り合いをつけたんだな」ということを観るものに明確に伝える仕掛けがあります。ヒロインが、鬱屈したストーリーを締めくくって映画の画面から去っていくような終わり方には、観るものをほっとさせるものがあります。

男女属性を問わず自意識過剰な人にとっては、弱点を嫌な感じでこれでもかと刺激される映画だと思います。私は何度も、「痛い!もうやめて!」って思いました。で、最後まで観終わったところで「でもまあどうにかやってくしかないのだな、やっぱ」と思いました。

そういう意味で強烈に刺激のある映画だけど、そういう刺激を映画で受けることが自分にとってどういう意義があったのかというと、いまひとつ謎な気もするので★みっつ。

覚えている範囲でメモ。

ウィンターズ・ボーン/★★★★
とことん悲惨で救いのないストーリーだけど、心を掴まれる。
寒くてカサカサしたところでタフな女の人が頑張る話しなので、
フローズン・リバーとかコールドマウンテンが好きな人はたぶん好き。

ミレニアム ドラゴンタトゥーの女/★★★
ハリウッドリメイク版よりこっちのほうが面白いです。
設定の中2っぽさが、スェーデン版だと自然に見えるから不思議。
しかしまさかこの主演の人がのちにプロメテウスで主役を張ることになるとは。

トロールハンター/★★
トロールがとんでもなかった。すごく困惑しながら観た。
みんなも困惑すればいいと思う。

ジョンカーター/★★★★
とても楽しいファンタジームービーなのにタイトルで大幅に損をしている。
ジョン・カーターおもしろいよって人に言ったら「大統領のはなし?」「CIAのはなし?」って言われたことが何度かあった。

ゲーマー/★★
ぱっとしない近未来SF。でも、いろんな監督の「俺が考える未来」を見るのが好きなのでへっぽこSFって嫌いじゃないです。

裏切りのサーカス ティンカー テイラー ソルジャー スパイ/★★★
ストーリーが複雑で付いて行くのに精一杯でした...。
小さな役で出ていたベネディクト・カンバーバッチが印象的だった。

ダークナイト ライジング/★★★★
鑑賞態度として正しくないのは承知の上で、クリスチャン・ベイルとアン・ハサウェイを中心に観ていたので、いろんな人が指摘しているストーリーの細かな破綻にはあんまり気が回らず。

サウダーヂ/★★★★
日本のサバービアものってこれからの成熟がすごい楽しみなジャンル。
具合が悪くなるくらい強烈に、土地が持つ閉塞感が伝わってくるすごい映画でした。

クイーン/★★★★★
劇場でも観たんだけどDVDで改めて3回くらい観た。
気品を知る映画。ヘレン・ミレンは本当に素敵だ。憧れる。

ミッドナイトインパリ/★★★★★
フラッパーに永遠にあこがれている私にとって夢のような映画だった。
スコットとゼルダに会えるとは思わなかった。最高。

タロットカード殺人事件/★★★★
ウディ・アレンとスカーレット・ヨハンソンってすんごい相性いいんだなー。
スカーレット・ヨハンソンはコメディエンヌとしてもっと注目されるべき。
「ハァ?」っていう不遜な顔が最もサマになるハリウッド女優のひとりだと思う。

伝説のロックスター再生計画/★
ひどいタイトル。ジョナ・ヒルに期待!したけどジョナ・ヒルをもってしてもつまらないもんはつまらないのだなと思った。

マネーボール/★★★★★
ジョナ・ヒル、やっぱ天才だ!ブラッド・ピットに負けない存在感。
いずれフィリップ・シーモア・ホフマンみたいなポジションの俳優になるんじゃないかなと勝手に思っている。
それと、「何かをモゴモゴ食べてるブラピ」ってそれだけで面白くてずるい。

ドライブ/★★★★★
色の感じと音楽が超好み。衣装もさりげないけど絶妙だった。
暗い人の静かな恋が悲しい形で成就する、というストーリーが私はつくづく好き。

アイアンスカイ/★★★
みんな大好き「ナチスボロカス映画」。もちろん私も好きです。

ブレイクアウト/★★★★
良質クライム・サスペンス。
ニコラス・ケイジが演じる訳ありのお金持ちっていうキャラクターがなぜか好き。
ほんとなんでかわかんないんだけど。

アルゴ/★★★★★
緊張感のあるところ、笑わせるところ、泣かせるところ、ロマンを刺激するところ、っていう要素のそれぞれがすごい完成度。それらが絶妙のバランスで組み合わされていてすばらしかった。ベン・アフレック、すごい。

アウトレイジビヨンド/★★★★
★5つのうち4つは西田敏行。
アウトレイジの「女とかどうでもいいんです感」が好きです。

ヴァルハラライジング/★
映画として好きか嫌いか以前にまったく内容を理解できなかった。
共感できないという意味でなく、誰がどこで何をしているのかが全くわからなかった。
カンボジア語で見ても同じくらいの理解度だと思う。
それくらいきれいさっぱりわからなかった。

エンジェル/★★★★
ものすごい身勝手なロマンス作家の人生譚。映像とか衣装とか美術とかとってもきれいだし、フランソワ・オゾンの映画がわりと好きなので楽しく観たけど、あまりに胸くそわるいはなしなのでひとさまにはおすすめできない。胸くそガーリームービーと名付けたい。

8人の女たち/★★
引き続きオゾン。
あまりに抜けがないというか、息苦しいというか、濃すぎるキャストで胸焼けしたというか。ファニー・アルダンが女装したベネチオ・デル・トロに見えて困った。

ロイヤルテネンバウムズ/★★★
グィネス・パルトロウって好きじゃないけど、この映画の役柄のグィネスは好き。
もうちょっとテンポが良かったらいいのに。

お坊っちゃまはラッパー志望/★
なんでこんなん観たんだっていう、笑えないくらい適当な映画。
年度末の道路工事みたいな消化試合感の漂ういい加減な映画だった。

ヌードの夜 愛は惜しみなく奪う/★
1993年版は好きだけどこれは好きになれなかった。いろいろ過剰で胸焼け。
1993年と2011年の竹中直人は、もはや別人というレベルなので同じ役を演じるには無理があるような気がした。

007 SKYFALL /★★★★★
わたしが言うまでもなく全項目100点満点。
ハビエル・バルデムのキモさも100点満点(ほめています)。
今後のQ(ベン・ウィショー)もたのしみ。

ヘッドハンター/★★
ノルウェイがとにかく寒そうで寒そうで。
168センチの男性の身長コンプレックスが話のフックなんだけど、アジアだったら大したコンプレックスにならないだろうに。北欧は大変だ。

レミゼラブル/★★★★★
膨大な量の音楽が自分に向かって雪崩れてきて押し流されるような感じ。
とにかく涙が出て困った。泣くって言うより涙がどどどって出る感じ。
ちゃんと感想書きたいなこれ。

バイオハザード リトリビューション/★★
ミラ・ジョボヴィッチの衣装が巨大なサロンパスみたいだった。あとは特に印象に残らず。

英国王のスピーチ/★★★★★
正統的な良い映画。
ヘレナ・ボナム・カーターってゴスじゃない役のほうが絶対に素敵だと思う。

宇宙人ポール/★★★★
バトルシップ/★★
アタックザブロック/★★
マッチポイント/★★★
人生万歳!/★★★★
ロンドンブルヴァード /★★
カサンドラズドリーム /★★
トータルリコール/★★
ザ・レイド インドネシアの塔で/★★
アベンジャーズ/★★★★
SUPER/★★★
ランゴ/★★★★
メンインブラック3/★★★
ホビット 思いがけない冒険/★★★
おろち/★★★
おとなのけんか/★★★
ボーンレガシー/★★
哀しき獣/★★★
メリンダとメリンダ/★★

memo

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【2011】
アンストッパブル
ソーシャル・ネットワーク
デュー・デート
グリーン・ホーネット
RED
冷たい熱帯魚
ウォールストリート
ザ・タウン
SUCK
ヒア アフター
ザ・ライト
エンジェルウォーズ
キラー・インサイド・ミー
スコット・ピルグリム
アバター
アンノウン
ブラック・スワン
アジャストメント
X-MEN ファーストジェネレーション
SUPER8
ハングオーバー2
基本的に、人様が一生懸命作ったものに対して文句をつけるのは主義に反するので、このブログではどんな映画について語るときもなるべく良いところに目を向けて感想を書くようにしてきました。が、今回ばっかりはごめんなさい。

漫画や小説の映画化に対して烈火のごとく怒る原作ファン、に対して「そんなに怒らなくてもそれはそれとしておけばいいんじゃない?」などと、今まで冷淡な態度を取ってきたことをここにお詫びします。やっとその気持ちがわかりました。

「私の観たいアリスの世界」からはあまりにも遠すぎました。別のタイトルでやってほしかった。ティム・バートンは、不思議の国のアリスが持っている、チェシャ猫やマッドハッターやバラやお茶会のモチーフが欲しかっただけなんじゃないか、とすら思います。ティム・バートンとジョニー・デップがネームバリューと、アリスの持つ普遍の魅力を利用して、つまらない冒険映画を自分たちのやりたいように撮ってアコギな商売をした、というふうにしか見えないです。

ポスターにでかでかと書かれていた"戦うアリス"っていうコピーに違和感を感じて劇場で観ずにいた(飛行機で観ました)のは正解でした。アリスは武器を持って戦ったりしません。ルイス・キャロルだって草葉の陰で泣いているに違いありません。

かように映画の大前提に対して疑問符を持っている状態で観たので、ストーリーについても全く楽しめず。違和感だけが募りました。予言の書や妙な怪獣という、アリスの世界に明らかにそぐわないモチーフもとても不快でした。原作の世界観が好きな人にとっては、アリスの世界に「予言」なんていう概念を持ち込むこと自体が、とんでもないナンセンスと感じられるのではないでしょうか。

そして、ジョニー・デップの厚化粧が見るに耐えないです。マッドハッターは確かに特異のキャラクターだし、テニエルの挿絵でも不気味な姿ですが、それにしたってあれはない。顔芸だけでマッドハッターが演じられると思わないでもらいたい。こんなのただの好き嫌いだし、言いがかりレベルの感想だってわかってるけど、別の題材でやってください、と言いたいのです。

「アリスインワンダーランド」というタイトルのもとに、ていのいい舞台装置として不思議の国を利用したこの映画、その舞台装置が取り去られたら、そこにはいったい何が残ったのか、と思います。
もうまったくなにひとつ映画と関係なくてスミマセンなのですが、今年のスペイン旅行で El Bulli というレストランに食事にいってきましたのでそれをレポートにしてみました。

あんまりにも関係ない上にやたら長いので、ブログのアーカイブとは別系統でページを作りました。
ご興味あるかた、よろしければこちらからどうぞ。

最近観た映画メモ

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リンダリンダリンダ/★★★
ペ・ドゥナが可愛いすぎる。
リンダリンダという曲を使ってる時点で超甘いジャッジになっちゃう。だって70年代生まれだもの!

運命じゃない人/★★★
いろいろと実験的ではあった、けど、映画自体にはそれ以上のものはなかった、という印象。けど、この監督はいつかすごくおもしろい作品を撮るのではないか、と期待させるものがあった。

バッド・ルーテナント/★★★★★
ニコラス・ケイジが天才過ぎる。ある部分で超優秀であると同時にある部分でとてもダメ、な男を演じるときのニコラス・ケイジの巧さは飛び抜けてるとおもう。
男って顔じゃないなーってニコラス・ケイジとソン・ガンホをみるたびに思います。

乾き/★★★
非ゴスなヴァンパイア映画、新鮮でした。
もうすこしコンパクトに編集したらもっと鮮烈な印象があったんじゃないかなっていう気はする。

2012/★★
ピンチ!→ダッシュ!→すんでのところで助かった~、がループするミニマルな映画でした。

シャーロック・ホームズ/★★★★
得したっ!ってかんじの楽しい映画でした。はっきりしたアイコンのある娯楽映画って俳優陣のスキルによって仕上がりがけっこう左右されると私は思ってるのですが、ロバート・ダウニーJrとレイチェル・マクアダムスっていうコメディに強い実力派二人の演技が良く、観ていて心地良かったです。

ハートロッカー/★★★★★
超傑作。
個人が完全に無視される戦場にあり続けることで、いち個人はどう変容するのか、というとても内省的な映画。ドンパチでも国際的陰謀でもなく、戦場における個人にフォーカスしたことで、あらゆる人(=個人)にズシっと響く映画になったのではないかと思います。
上映中、ものすごい緊張とともにスクリーンを観ていたので観終わったあとの抜け殻感がすごかった。脚本・映像・演出どれも素晴らしかったんだけど、素人のわたしが聞いても「なんか尋常じゃないぞ」と思ってしまうくらい音響効果が素晴らしかったです。

GOOD BAD WIRED/★★
ディティールはとても面白いんだけど、なんとなくまとまりに欠ける印象。
決してつまらなくはないけどこの時期観た他の韓国映画がハイレベルなものばかりだったのでちょっと印象としてボヤけているのかも。

トイ・ストーリー/★★★
トイ・ストーリー2/★★★
なぜか観ていなかったこのふたつをまとめて鑑賞。3がたのしみ。

96時間/★★★
元FBIエージェントで世界最強のお父さんが海外旅行先でマフィアに誘拐されたバカ娘を96時間で救い出す、という無茶すぎるおはなし。展開がスピーディーで面白かった。そんな超人はいるまいよ、という強さのお父さんを大真面目にやってる感じもまた面白かった。

アドレナリン:ハイ・ボルテージ/★★★★★
どーしようもないB級アクションスカムムービー。最高です。バカな人だけ観ればいい、文句言うやつは帰れ!金は返さないけど!というかんじがする映画。

ショーシャンクの空に/★★★★
え!あれ観てないの!と言われ続けてきた映画をついに鑑賞。

フロム・ヘル/★★★
「ばっちいロンドン」というモチーフが好きなので観ていて楽しかった。

母なる証明/★★★★
大好きなポン・ジュノ監督のずっと観たかった作品。なんでこんなの思いつくんだろう、っていう演出とカットの連続。最後のシーンの奇跡のようなかっこよさに鳥肌がたちました。
ポン・ジュノ、たぶん今いちばん好きな映画監督だなあ。

パイレーツ・ロック/★★★★
大変おもしろかった。イギリスの海賊ラジオ放送曲のおはなし。
ジャンルを問わず音楽が好きな人なら誰でも楽しめる良作。

エスター/★★★
サイコホラー。お人好し感ゼロのヤーなかんじの展開で良いかんじです。

ノウイング/★
なんかよくわからないまま地球が危機に陥ってなんかよくわからないまま救われる映画。あまりにもひどいから観たほうがいい!と複数の人に言われて観たけど、たしかにひどかった。

TOKIO!/★★★
ポン・ジュノ、ミシェル・ゴンドリ、レオス・カラックスによるオムニバス短編映画集。やっぱりポン・ジュノがずばぬけて素晴らしかった。あんなにかっこいい東京の風景、初めて見た!
ミシェル・ゴンドリも悪くなかったけど、PVや映画「僕らのミライへ逆回転」の素晴らしさに比較してあんまり力がこもってないような印象だった。レオス・カラックスのは開始10分だけ最高。

ディセント2/★
「ディセント」が良かったので続編を観てみたんだけど、無理やり作った感満点でガッカリなかんじだった。そのうえ3に繋げようという下心を優先させたわけのわからないエンディングで1の良さを台無しにしていた。もったいないよう。

ボーン・コレクター/★★
どうにもモッタリとした演出で何度か眠たくなった。サスペンスは緊張感がいのち。原作はとてもおもしろいんだけどなー。

サロゲート/★★
タクシーの中に設置されてるちびモニターで予告編をみてからなぜか気になって仕方がなかった映画。別にそんなにおもしろくないんだろうな...と思ったら果たしてその通りでした。でもなんか憎めないのは、全体的にそこはかとなく漂うSF表現の間抜けさが可愛いからかもしれません。
まぬけSF(と勝手に名付けます)には、他人の近未来妄想を垣間見る楽しさがあると思います。

グリーン・ゾーン/★★★★
わりとよく観ている気がする"アメリカ人inイラク映画"。もはやひとつのジャンルだなという気がします。そして、アメリカでイラク戦争をモチーフにした映画を撮るには相応の覚悟が必要なせいか、このジャンルにある映画は基本的な水準がとても高い気がする。
グリーン・ゾーンもとても面白かった。一秒も退屈することがありませんでした。おすすめ。


公開当日に張り切って観に行ったんだけども。
ビジュアル120点、脚本20点、とにかく惜しい!という印象でした。期待値高すぎたのかも。

脚本20点、っていっても原作となった絵本は大好きなので、ストーリーのふくらませ方に違和感がありすぎたという感じです。時間を稼ぐための混ぜもの、あるいは想像力の足りない鑑賞者を納得させるための混ぜもの、という感じがしてなりませんでした。

世界一のPV監督であるからして、効果的なショットだらけで視覚的には本当に楽しかったんだけど、かいじゅう同士の複雑な人間(かいじゅう)関係の描写 は完全に蛇足。子供の成長譚としても中途半端で、無理やりにガッチリしたストーリーラインを作らずに、もっと郷愁をさそうことだけに集中してしまっ て良かったのではないかと思いました。

予告編を観るたびに、胸にせまるものがありすぎて泣きそうになっていたわたしだったのですが、本編ではあまりそういう気分になりませんでした。セリフやキャラクター描写に興を削がれた、としか言いようがないのですが、それが本当に残念。

幼少期に誰もが持っていた、ここではないどこかへの憧れ、暗がりに跋扈する異形の友達、夜中に夢から覚めて両親のいる明るいリビングにぬいぐるみを抱えてもじもじと行く感じ、それを思い出させるだけで良かったと思います。わたしはこの映画にそれを求めてました。

名状しがたい感覚を強く揺さぶる力のあるPV作品をあれほどたくさん世に出している監督だからこそ、その一点で勝負をかけてくれたら良かったのになって思います。


最近観た映画メモ

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グエムル ★★★★★
観れば観るほど最高な映画。画面構成の美しさに酔いしれます。

JSA ★★★
ソン・ガンホかっこいい。

シークレット・サンシャイン ★★★★
あとからじわじわくる良い映画。チョン・ドヨンとソン・ガンホの巧さにしびれました。

シュリ ★★★
退屈はしなかったけど、ちょっとロマンチックすぎたかんじ。

レイチェルの結婚 ★★★★★
もういっかい観てきちんと感想書きます。最近観た映画のなかではいちばん好き。

それでも恋するバルセロナ ★★★★★
ヨーロッパ全般にコテンパンに敗北するアメリカ全般のはなし。
スカーレット・ヨハンソンの自分探し女の演技も、ペネロペ・クルスのクレイジーな芸術家の演技も、最高でした。スカーレット・ヨハンソンって、コミカルな間の取り方が本当に上手。そしてペネロペ・クルスが母国語で演技をしているときのイキイキした感じは見ていてとても気持ちがいいです。
そしてラブコメを、まっとうなコメディとして作るならば、そのラブは成就しないほうが絶対に面白い、とこの映画を観て確信しました。

ほえる犬は噛まない ★★★
ポン・ジュノ監督のデビュー作品。画面構成の美しさを堪能。
ペ・ドゥナのダメ女の演技もすごい可愛い。韓国の女の子、かわいいなぁ。

ラーメン・ガール ★★★
ブリタニー・マーフィー、大好きだったので亡くなってしまって本当に残念。
これといってラーメンに思い入れのないわたしなので、ラーメン根性ドラマという時点であまり鑑賞に没入できなかったけど、ブリタニー・マーフィーが可愛いからまあいいかという気になります。
オシャレ映画ではぜんぜんないのに、衣装がすんごい可愛いかったのが印象的。

ノン子36歳(家事手伝い) ★★★★
再鑑賞。
とても好きな映画。どうやらわたしは基本的に、傷だらけの女の人が、最後には少しだけ元気になっていくっていう物語が好きみたいです。

最近観た映画メモ

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Dear Zachary 親愛なるザッカリーへ / ★★★
この映画が生まれた背景にあるものが重すぎて感想がむずかしい。とても悲しいドキュメンタリーだし、この映画に取り上げられた問題(カナダの法律のいい加減さ)が少しでも改善されていくことを切に願う。
この映画には提起されている問題とは別にもうひとつメッセージが込められていて、通して見ないとわからないし感情移入もできないタイプのメッセージなんだけど、そこにガっと引っ張られる強さがあった。久しぶりに、監督や出演する人物の思いの強さにゆさぶられたドキュメンタリー。

チェイサー / ★★★★★
韓国映画って超ハイレベルなんだなあ。
非常におもしろいサイコサスペンスなんだけど、無駄なカットがまったくない美しい写真の連続のような映画。「イースタン・プロミス」と同じような良さがあった。ハリウッドでリメイクが決まってるらしいけど、このオリジナルはそうそう超えられないような気がする。

HALLOWEEN / ★★
ロブ・ゾンビ監督のほうの。前半最高、後半大失速で残念だった。
トラッシーな家族・やかましいBGM・イラっとくるチアリーダー・脂ぎったブロンド、なかんじはとても良いんだけど。あと、地味に気になる俳優のダニー・トレホが出てるのも良い。
ロブ・ゾンビってベジタリアンなんだそうな。ゾンビなのに!

愛のむきだし

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めずらしく途中でギブアップ。予算の問題ではなく、あまりに画面がチープで退屈。サブカルチャーに影響を受けたAV監督によるアダルトビデオのドラマシーンのようでした。板尾創路や渡部篤郎のさほどマッチしていないキャスティングに予算を使うくらいなら、ほかにもっとお金をかけるべき場所があったのでは?という気 がします。

そして当方、女性なので下着盗撮っていう題材をポップに扱おうとする感覚に対してどうも寛容になれず。下着盗撮映画がダメ、ということではなく、おもしろ おかしくやるなら誰もが納得するレベルを追求してほしいと思います。中学生男子の悪ふざけレベルの下着盗撮シーンが続いてげんなりしました。延々と素人投稿雑誌の猥雑で安い 誌面を見せられているような居心地の悪さを感じました。
いろいろと衝撃的な題材(宗教・下着盗撮・近親相姦・リストカット・暴力などなどてんこ盛り)を扱っているものの、どれもこれも「お金がないなりにもうちょっとやりようはあるだろう」と思わせる安っぽさ。エロもグロもカルトもキライじゃないけど、あまりに安くそして浅いので面白くありませんでした。中二病っぽい。というひとことに尽きるます。

各方面で大絶賛の理由も全くわからないのだけど、もしかしたら私がギブアップしたあとの数時間にその秘密が隠されているのかもしれません。とはいえ、4時間の大作って言う触れ込みで、開始1時間半経っても面白くなかったら、なかなか最後まで観る気にはならないのが大人というものであります。

District9

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2009年に観た映画のなかで、最も面白かった映画です。アメリカ版のDVDで鑑賞しました。アメリカでは今年の8月に公開されました。日本では来年公開予定の模様です。

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さすがにあんまり情報がなさそうなのであらすじを簡単にご説明。英語で観てるので固有名詞などはわたしのノリで表記します。

ときはどうやら近未来。南アフリカのヨハネスブルグに、難破した宇宙船が不時着。宇宙船は故障していて、100万人(エイリアンの数え方がわからないので便宜上人間とおなじようにカウントします)以上ものエイリアンが帰れないまま約30年が経過。困った人類はエイリアンを District9 というエリアに隔離することに。結果、District9 はスラム化してしまい、困った人類はエイリアンをヨハネスブルグから遠く離れた新しい場所に移転をさせることを決め、立ち退きと移動のプロジェクトが始動。

プロジェクトのリーダーに選ばれた国連(的な組織)のエイリアン生活安全課(的な部署)に所属するエージェントのウィカスは、立ち退きの通告をおこなうためにエイリアンを戸別訪問することになるが、訪問先で奇妙な液体を浴びてしまったことから予想外の事態に・・・。

というおはなしです。

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以下感想。

娯楽作品としての完成度と、それだけではない奥行きある内容にダブルサムアップです。

アフリカ×エイリアンという組み合わせがまず新鮮。なにかと話題のヨハネスブルグに、100万人を越すエイリアンがごしゃごしゃと暮らしている絵柄はとにかく斬新です。
物語の展開もテンポがよく、予想不可能なため最後の最後まで観るものを飽きさせません。笑わせるところも心得てるなあというかんじ。南アフリカ生まれの監督ならではの余裕で、ゆかりのない者にはなかなか笑いの対象として取り上げづらい、アフリカの極端な文化と風俗と世相とをサラっとギャグにしています。

南ア、隔離、スラム・・・というキーワードからわかるように、アパルトヘイト政策が隠れたモチーフになっています。映画内で人種差別問題には一切触れていませんが、開始10分で「ああ、そういうことか」とすぐにわかります。

わたしがとくに良いと思ったのはエイリアンの表現の秀逸さでした。それは、エイリアンがSF的に良く出来ている、という意味ではなく、この映画におけるエイリアンの立ち位置を全うする造形を追求している、という意味での秀逸さでした。

すがたかたちから生活様式にいたるまでが、絶妙に擬人化されていて、同時に絶妙に異形。見慣れない姿だから怖い、そのうえ特異な生活様式を持っている、でもどことなく人類との共通点はある様子。理解は難しそうだができなくはない、あるいは、理解出来そうだが無理かもしれない、というギリギリのラインをついてきます。

そんな風にしてギリギリのラインを行ったり来たりしつつも、彼らには彼らの尊重すべき生があるということは、物語が進行するなかで観客にはっきりと感じさせるようになっています。このことにより、エイリアンに対する人類の横暴さと身勝手さ、理解の難しい対象に対しての愚かな対峙の姿勢が際立ちます。SF的な画面の体裁をそこなうことなく、かつ、この映画における存在意義を全うする造形としては、ベストなポイントを見事に突いたエイリアン表現だと、わたしは思いました。

このように自己批判的(監督は南ア出身の白人)にアパルトヘイトを隠れたテーマながら強烈に意識させる内容に仕立てつつも、画面上ではエイリアンと人間のコンタクトが極めてSF的に展開するという不思議な両立には、技術と努力による裏打ちと高い志、そしてSF映画への愛を感じます。技術と努力と高い志、そして(SF)映画への愛を感じる映画、それってつまりパーフェクトってことではないでしょうか。

そんなわけで、District9は2009年のベストムービーなのです。

最近観た映画メモ

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THE HANGOVER / ★★★★
アダルトスクールと同じトッド・フィリップス監督による話題作。日本では公開されない模様。いろいろとバランスのいい娯楽作品でした。男って楽しそうだなぁ。

ヘアスプレー / ★★★★ (再鑑賞)
DVDを買ったので再鑑賞。何度観ても最後のシーンで泣ける。たくさんの人が笑顔で歌い踊る情景には、人を幸せにするちからがあると思う。60年代ファッションも大変素敵。アマンダ・バインズってムチっとした顔であんまり好きじゃなかったんだけど、この映画で好きになった。

BOLT / ★★★★★
文句なしに可愛い動物アニメ。わたしはとにかく鳩にやられてしまって、鳩が登場する場面は笑いっぱなしだった。★5つのうち2つは鳩ボーナスです。鳩の動きの面白さを愛する全ての人に観て欲しい。それ以外の人にもまあまあおすすめです。

最近観た映画メモ

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インフォーマント / ★★
盛大に寝た。延々と不協和音を聴いているような不思議な感覚。
もう一回観てみたい。

カールじいさんの空飛ぶ家 / ★★★
いろいろと強引。だけど悪くない。
それにしてもブログなどで「カールおじさん」と誤記している人の多さに苦笑い。国民食だな、カール。

ヒート / ★★★
アル・パチーノとロバート・デニーロの見分けがつかず苦労した。どうもイタリア系の見分けが苦手らしい私。

銃撃戦のシーンが、今まで観た映画のなかで一番良かった。緊張感の演出と効果音の使い方がすばらしい。銃が恐ろしい武器だということ、を、すっかり忘れてのんきに流し観できる銃撃や発砲のシーンが多いなか、ヒートの銃撃と発砲のシーンには一撃一撃に人をブルーにさせる力があった。
DVDを観ているときなどに長めの銃撃戦の場面になると、飽きて眠くなってしまったり、おやつや飲み物の補充にキッチンに立ってしまったりしがちな私なんだけど、ヒートはじっくり観た。

しかし、ハードボイルド映画においてしばし登場する、強引で無口でなんだか悪そうな男に、困った顔をしながらも付いていって最後に悲しい思いをすることになる女、に対し、いつものことながらイラっとしてしまう。共感できないということではなく、作り手の男性の妄想の具体化というかんじがするから。わたしはハードボイルドが苦手なのではなくて、ハードボイルド志向の人間、というのが苦手なんだろうと思う。で、それは男が夢見がちな女に対して「むむ」と思うのと表裏をなしている気がするので、同族嫌悪みたいなものなんだろうと思う。

アバター / ★★★
原生林の描写が好き。
映画を観た、というよりも、アバターというアトラクションを体験した、という感覚になった。CGや3Dのクオリティと、ストーリーの完成度のバランスを取ることって、今後の超大作CG映画に課せられた大きな課題だなあと思う。

ワールド・オブ・ライズ / ★★★
いまやひとつの定形となった感のある、中東で生きるか死ぬかという思いをするアメリカ人が主人公の映画。退屈せず楽しんで観ることはできたんだけど、なんとなく既視感があるというか、古い感じがするというか。
もっとたくさん観ているはずなのですが思い出せません・・・。かろうじて観たことを覚えていても、感想はおろか内容すら覚えてないものも多々。思い出したら追加して書こうと思います。
ちかごろは MADMEN というアメリカのドラマに夢中です。

エル・マリアッチ ★★★
その土曜日、7時58分 ★★★★
サマーウォーズ ★★★★★
マインドゲーム ★★★★★
俺たちステップブラザーズ ★★
ブラインドネス ★★★
ダーク・シティ ★★
バビロンA.D ★★
モールコップ ★★
フロスト×ニクソン ★★★

呪怨(ビデオ版)1・2 呪怨(劇場版) ★とかつけるほどちゃんと観てない
十把一絡げですみません。全部怖かったです。
怖かったので、クイックルワイパーの不織布に穴を開けてその隙間越しに観ました。
スプラッタもホラーもずいぶん平気になりましたが、Jホラーは本当に無理だ。

スター・トレック ★★★★★
最高。ひと晩に二回も見てしまった。

モンスターVSエイリアン ★★★★
セス・ローガンが声を演じた、脳がないからバカっていう設定のモンスターが可愛いかった。リースウィザースプーンが演じた主人公も、なんともいえず好感の持てるキャラクターで良かった。

DRAG ME TO HELL(邦題「スペル」) ★★★
英語で鑑賞したので原題で表記。典型的なB級ホラー。みもふたもない怪奇現象が愉快でした。

くもりときどきミートボール ★★★★
巨大な食べ物が空から降ってくる、ただそれだけでもう★5つ。アイマックスで観て良かった!

ダイアリーオブザデッド ★★
ゾンビ映画なのにゾンビがあんまり出てこない(人数も少ないしすぐ倒されちゃう)。そのうえ登場人物が不要な屁理屈ともいうべき行動原理のもとに行動するのでなんだかとってもイラっとした。
ものすごい量のゾンビがうわーっと迫ってきて、勝ち目なし、逃げ道なし、さあどうする!という絵柄はゾンビ映画に不可欠だと思うんだけどなー。

イングロリアス・バスターズ ★★★★★
爽快流血暴力映画。ブラピのバカな演技が最高によい。劇場に観にいったら、とある場面で、自分は「わは!」と笑ったんだけど、隣の席に座ってた女性は「ひっ」といって連れの人にしがみついてた。ちょっと恥ずかしかった。

ディセント ★★★★
暗い洞窟に妙齢の女性数名が閉じ込められて滑った転んだ・・・という超つまらなそうなストーリーなのですが、すんごい面白かった!あらゆる方向から恐怖心を刺激してくれる、とてもよくできたホラー映画だと思います。おすすめ。

インプリント ぼっけぇきょうてぇ ★★
三池監督は好きだけどこれはきつかった。残酷描写のオンパレード。和風グロは胃にきます。
コンベンション作品とのことですが、これみて外国の人はどう思ったんだろうか。

最近観た映画メモ

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デビルズ・プレイグラウンド/★★★
「未公開映画を観るTV」で。
なかなかカメラが入ることのできないアーミッシュの人々の暮らしを覗く、という点ではレアで興味深いけど、ドキュメンタリーとしてはいまひとつ。

カリフォルニア・ドリーミング/★★
なにからなにまで中途半端なハートウォーミング家族ドラマ。

トランスフォーマー リベンジ/★★★★
ストーリーは大仰だし、伏線張りっぱなしで回収しないし、はなしのつじつま合ってないしで、だいぶメロメロだけど、ロボットがかっこいいから★4つ。やりたいことだけやるぜーという監督の思いが伝わってきます。

主人公は僕だった/★★
ウィル・フェレルはシリアスな演技に向いてない、と。マギーギレンホールは、横丁の素敵なお姉さんの役どころにぴったりハマってた。バットマンでの居心地の悪そうなかんじとはとても対照的。

ぜったい記録漏れがあるー。

トレーニング・デイ/★★★
退屈はしないけど最高!というわけでもない、というかんじのクライムサスペンス。デンゼルワシントンが悪役を演じていて、それが新鮮だった。

チョコレート・ファイター/★★★★★
今まで観たカンフーアクションもので一番面白かった。これも、やりたいことだけやってますよー、という映画。発達障害のある女の子が、食肉工場で大暴れする場面なんて、あらゆる意味で日本じゃまず撮れない画だとおもった。変形ガーリームービーなので、強い女の子が出てくる映画にワクワクする人にもおすすめ。

ファインディング・ニモ/★★★
いまさらだけど観てみた。父親と確執のない人のほうが楽しんで見れるのではないかなと。

デスプルーフ in グラインドハウス/★★★★★
最高。なにもかもが景気良くて最高。終わり方も最高。短期間で2回も観てしまった。

モモ/★★
ミヒャエル・エンデの同名の児童小説の映画化。低予算っぽくていまいち。子供時代に原作を何度も読んだので、自分なりの映像化が頭のなかでなされていただけに、うーん、となってしまった。

最近観た映画メモ

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けっこう間があいてしまった。サイドバーに、読書メーターのブログパーツをいれてみました。
最近読んだ本が何冊か表示されます。

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スラムドッグ・ミリオネア /★★★★
音楽がすばらしい。ファーストインパクトは「最高!」だったんだけど、じわじわ「ん・・・?」となる。観た方がいい映画だけど、100%サムアップとはなれない、その理由をじっくり考える必要もまたあると思わせる映画。原作も読んでみたところ、別物ってかんじだけど面白かった。

ペネロピ /★★★
クリスティーナリッチ、こういうウザくない役のほうがいいなとおもった。
衣装やセットにもくすぐられる。ティムバートンとか好きな人におすすめ。

バーンアフターリーディング /-----
おもしろかったっぽいのに観る直前に酒を飲んでたせいか寝た。悔しい・・・。

スーパーバッド /★★★★
再鑑賞。

ヒューマンネイチャー /★★★
再鑑賞。

阿呆遊戯 /★
ブルースリーの代役さがしのオーディションのモキュメンタリー。奇人(という設定の人)がたくさん出てくるんだけど、薄い奇人ばっかりで眠かった。

WALLMART /★★
MXでやってる、松嶋尚美と町山智弘の「未公開映画を観るTV」で。全米最大のスーパーマーケットチェーンの裏事情。
ドキュメンタリーとしてはインタビューばっかりで弱かった。とはいえ、実際にWALLMARTにいったときに、なんとなく感じる負のエネルギーの理由はこれか、と思わされた。

ナイロビの蜂 /★★★★
再鑑賞

WALL・E /★★★★
再鑑賞

グラン・トリノ /★★★★★
思い出すだけでぞくぞくしてしまうようないい映画。
おもしろくて渋くてかっこよくて泣けるという、なんか映画4本分くらいの濃度。
モン族をモチーフにしてるっていうのも、すごくさりげないトレンドの取り入れ方でセンスいいとおもった。エンドロールまで美しくてよかった。

MAXED OUT /★★★
これも「未公開映画を観るTV」で。アメリカのクレジットカード主体の生活の落とし穴。
アメリカって、もうぜんぜん豊かじゃないんだなとおもった。


最近観た映画メモ

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ウォッチメン ★★★★
最近のアメコミ原作もののなかでは一番好きかも。ヒーローで在ることを究極につきつめると、こうなるのかと。個人レベルでのヒーローとしての存在意義に悩むヒーローに若干食傷していたところなので、気持ちが良かった。一歩突き抜けた想像力というか。(とはいえこれ、全体的に原作に対しての感想ですね)
しかし、何も知らずにこれをデートで観にいってしまった無邪気な高校生カップルとかにはちょっと同情します。

ファーストフード・ネイション ★★
「スクールオブロック」のリチャード・リンクレイター監督作品・・・とは思えないどんより映画。救い無し、画面怖しで、のんびり観てたらひどい目に合ったというかんじ。
言いたいことはなんとなくわかるけど、映像の強烈さがメインテーマを食ってしまって、悪趣味映画になっているという印象。

28週後 ★★★
愛とカン違いのゾンビ映画。ビターな展開でなかなか良し。未熟な存在が嫌いな人におすすめです。

オーシャンズ11 ★★★★
マーケットプレイスでDVDが76円だったので。バーニー・マックを偲びつつ観た。

デトロイト・メタル・シティ ★★★
マンガのまんま。

ザ・ミッション 非情の掟 ★★
黒社会ものの香港映画。。全体的によくわからない男気に貫かれたストーリーラインにつき、好きな人は好きそうだけど、女性かつ小市民のわたしにはなんだかようわからん美学、というかんじで眠たかった。あと、自分は激しすぎる銃撃戦で眠くなる体質だということに気付いた。

ニュースの天才 ---
実際に起こったニュース記事捏造事件をもとにした映画。ジャーナリズム論にうったえかけるようなものではなく、倫理の欠如した若者の演じた醜態のまとめを見せ付けられたという印象なので、いまひとつ学ぶことはなかった。とはいえ集中力を著しく欠いている状態で観たので★はつけないでおこう。

SEX AND THE CITY

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やっと鑑賞。もともと、シーズン開始当初よりドラマシリーズを観続けていたんだけど、どうも映画を観る気にならず。こんなに時間が経ってからの鑑賞となってしまいました。

結論から言うと、ドラマシリーズのファンへのサービスということのほかに、CGで主演女優のシワを消してまで映画化する意義の見当たらない映画、というかんじでありました。

ドラマシリーズは一話30分という制限のなかに、恋愛に関わるひとつの命題を掲げ、それをドラマ仕立てで考察していくというもので、命題の着眼点の鋭さが共感を呼んで大ヒット。
で、大ヒットして予算が膨れ上がって、登場人物のライフスタイルやファッションにも注目が集まり・・・というあたりから何かがおかしくなったと私は思っています。
シーズンを重ねていくうちに、当初のソリッドなスタイルは忘れ去られてしまい、登場人物の人生主体のメロドラマに変容してしまい、これじゃただのメロドラマじゃないか・・・と視聴者のイラだちが募り始めたあたりで終了、という、ある意味で上手な幕引きがありました。

という風に、SATCの魅力を私は見ているので、これといった命題をベースラインとせずに2時間の平凡な恋愛映画として仕上げた今作は、本来SATCが持つ最大の魅力の真逆を張った作品になっている、という感想を持ってしまったのでありました。

登場人物のその後を知るという意味ではテレビシリーズのファンにとってはとても楽しく、豪華なアウトフィットも見ていて楽しくないことはないですし(モゴモゴした言い方なのは、わたしがパトリシア・フィールドの大仰なスタイリングが好きではないからです)、もうひとつのテーマとなっている「女の友情」を示す描写には、素直にいいなあと思わされます。だけどこれらの要素って、ドラマの2時間スペシャルで十分だと思います。ドラマとして楽しんで観ることはできたのだけど、劇場で見なくて良かった、とも思いました。

で、もっと個人的な意見を述べるならば。

40代の女性がウェディング前にはしゃぎすぎて、相手の男のマリッジブルーに気付かずに暴走した挙句、男に逃げられるっていう流れはちょっと悪趣味です。

トップメゾンのウェディングドレスや、ロサンゼルスのコンドミニアムや、アッパーイーストサイドのアパートメントといった豪華な小物や装置に騙されてしまう人は多いかもしれないけど、そういったシュガーコーティングを取ったら、かなり悲しい展開ではないかと思います。
もともとは、キャリアを手にした30代・40代のシティガールのクールな独身生活、がモチーフであったはずなのに、はしゃいだオバさんの結婚狂騒曲、という体になっているのが残念です。

「いろいろあったけど幸せになった」と「アホだけど幸せになった」では、随分印象が違います。

30代の魅力ある女性の独身生活、っていう、微妙な対象をモチーフにして、さらにそれをひとつの"アリ"なスタイルとして世に浸透させたという偉業を成し遂げたドラマの最後の"締め"がこの映画だというのは、あまりにももったいない話だなあと思う次第です。

なんだか文句ばっかりみたいになっちゃったんだけど、シーズン1からずっと観ていて、(途中までは)すごく好きなドラマだっただけに残念なんです。恋愛映画・ドラマ全般を好まないわたしにも楽しめる稀有なドラマだったからこそ、映画も「ほう!」となれるものであってほしかったです。

スポットで良かったこととして、主人公のアシスタント役で登場する、ジェニファー・ハドソンがとても魅力的でした。他の出演作品もぜひ観てみたいと思わされます。
あと、シャーロットの養女のリリー役の女の子もとってもとっても可愛らしかったです。

蛇足だけど、SATCは登場する4人の女性のキャラクターも社会的なポジションもバラバラ(ハイ/ローではなく、ハイな部分で横にバラバラ)なので、英語の口語表現の勉強になります。あと、それぞれのキャラクターのインテリアが素敵なのでなにかと参考になります。
そういったオマケ的なお楽しみも含め、ドラマシリーズはシーズン4あたりまでがおすすめです。

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★★★


SEX AND THE CITY [THE MOVIE]


SEX AND THE CITY season1

ドラゴンボール エボリューション ★★★
観たくない観たくないとダダこねて観にいったけど、そんなに悪くなかった。ふつうに家族向けのエンターテイメントムービーとしたらいいのではないかと。技法や映画文法の基本的なラインは当然ながらクリアしているので、鬼太郎とかどろろの実写に比べたら100倍まとも。エンディングテーマの浜崎あゆみは、うん、どうかと思った。

どろろ ★
いろんな意味で最低最悪の一本。気を抜くと罵詈雑言を書き連ねてしまいそうなので自重。

パイナップル・エクスプレス ★★
セス・ローガンもの。前編マリファナネタで見ているうちに飽きがきてしまった。
あとちょっとテンポ悪で寝てしまった。

ばかの方舟

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これはすごい。短期間に3回も見返してしまいました。

東京で商売(妙な健康飲料の自主販売)に失敗して借金を作った冴えないカップルが、もう一度商売をやり直すべくイナカに帰ってみたものの、全くうまくいかずにさらに駄目なことになる、というストーリー。面白くなさそうなストーリーなんだけど、最高に面白かった。

とにかく主人公の男のダメ人間設定の完成度の高さがすごい。その設定が緻密に脚本に浸透しているために、開始30分、二人の一挙手一投足に「学力がない」「常識がない」「センスもない」「その上に運も悪い」「それなのに根拠のない自信を持っている」ということを示す要素がぎっしりと、しかし自然に詰め込まれています。

説明的なセリフやシーケンスはほとんどないのですが、観る者に、主人公に限らず登場する人間の、主人公との関わりを、すんなりと理解させる巧みさにはびっくりしました。軽薄な表現だけど、「話題にもならないくらい些細な"あるある"」の連鎖と言えるかもしれません。そして、その"あるある"の切り取りと組み合わせのセンスが卓抜しているから、この映画が成立しているのだと思います。

ダメな主人公と、共依存的にくっついている恋人の女の子の、悲しいまでに滑稽で愚かな毎日は、基本的にはものすごく面白く、笑いの対象です。
だけどその中に、笑いながらも「ここ実はちょっと笑えないのはナイショにしときたいな・・・」っていう気持ちにさせられるものが含まれています。

"バカあるある"を笑うっていうことは、ある部分で自分を笑うことでもあり得るわけですから、フクザツな気持ちになってしまう箇所がどうしたってあるわけです。そしてそれって、ちょっとしたノスタルジーにも通じていく感情でもあるので、単純に「バカが滑った転んだを観てワハハと笑う」という類の映画をみたときとは異なる、深みのある後味を残す結果になっているのだと思いました。

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★★★★★
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amazon

シッコ

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マイケル・ムーア監督作品。アメリカの医療保障の問題がテーマのドキュメンタリーです。
帰納法的に映像をつなげて主張へ と纏めていく手法が、他作品に比較してより効果的に作用していた、という印象。コロンバインや華氏911に比較して、よりドメスティックな テーマでありながら、社会保障に対してわりと不安の少ない日本人のわたしが鑑賞しても、感情移入できる映画であるということに感嘆します。

対象への怒りや告発の意図のみではなく、根本に祖国への愛情があるため、アメリカを " 問題まみれの国 " と呆れる一方で、" 希望もあるのかもしれない " と思わされます。ムーア作品に共通する、鑑賞後の " 後味の悪くなさ " は、ドキュメンタリー映画というメディアの質に対して良いものであるかどうかは別として、大衆への問題提起という点でとても有効な表現のあり方であると思います。

ドキュメンタリーというジャンルの映画に、エンターテイメント性を器用に盛り込むことで、鑑賞する層を広げたということが、マイケル・ムーアの一番の功績だと思います。

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★★★★

最近観た映画メモ

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チェンジリング ★★★
クリント・イーストウッド監督。アンジェリーナ・ジョリーのアカデミー助演女優賞ノミネート作品。
母の愛という普遍のテーマと、警察の腐敗や猟奇犯罪というモチーフによりサスペンスドラマとしてのエンターテイメント性をしっかりと両立させた作品。
秀才の90点作品、という感想を持ちました。良い映画だと思うし、これといった不満はないのだけど、「最高!」という感想にならないのは、監督のこれまでの作品が偉大すぎるゆえでしょうか。

寝取られ男のラブ♂バカンス ★
ひどい邦題だねこれ。「ノックト・アップ」のジャド・アパトー製作(監督は別の人)作品。別れた恋人を忘れるためにハワイにいった男が滑った転んだというラブコメ。展開がのんびりしすぎていて途中で退屈してしまいました。コメディはテンポがいのち~。
「40歳の童貞男」のジャド・アパトゥ監督の2作目。ダメ男がクラブで出会ったキャリアウーマンを、うっかり妊娠させてしまってドタバタする映画です。

ジャド・アパトゥは、男の人がウダウダダラダラ好きなことをやってダメに暮らす様子を描くことに、監督的なフェティシズムを持っていると思います。ゆえに超ダメ人間の生活を箱庭的に作るのがとても上手なので、それを覗き見る楽しみこそがこの映画の一番の魅力だと思いました。

ストーリーは、いうなれば"箱庭の箱"に相当している感じなのですが、それも良かったと思います。前作の「40歳の~」は、ハートウォーミング要素を詰め込みすぎた結果、コメディとしては散漫な印象であまり好きではないのですが、この映画はダメ男描写に重点を置いたことで、かえってダメな人に対する監督のやさしい視線みたいなものが鮮明に浮かび上がったように感じました。

スラッカー・ムービー愛好家にはとてもおすすめ。

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★★★

定期的に観たくなるソフィア・コッポラ映画。再鑑賞です。

この映画は、ソフィアの「アントワネットのヴェルサイユでの生活がこうだったらいいな」という、少女的な妄想の結実です。それをどう思うかは完全に好みの問題だけど、わたしは素晴らしいと思います。ソフィアは女の人が持っている、少女のころに夢見たこと、大人になってからはあからさまにはしないけど心のどこかに持っているものを、素晴らしい完成度でかたちにしてくれた英雄だと思います。
もっと言うと、フリルとレース一辺倒だった少女時代の妄想をベースに、その後のポップカルチャーとの出会いを経て複雑化した「お姉さんがたのガーリーな妄想」を、映画にしてくれた英雄だと思います。

つまりやってることは、タランティーノやウォシャウスキー兄弟といっしょ。っていうと男の人は怒るよねー、きっと。わたしはタランティーノもウォシャウスキー兄弟も好きだけど、不可逆かもね。男って狭量ねー。と、ガーリームービー鑑賞直後はだいぶフェミニンな思考になりますね。

歴史映画として観て文句たれてるやつはアホ、と以前のこのブログの一行感想に書きましたが、改めてそう思います。本来、アントワネットはアルコールのたぐいを口にしなかったとされていますが、シャンパンを飲んではしゃぐ場面があるのは、それがガーリームービーとして欠かせない要素だからです。舞踏会では貴族たちがジョイ・ディヴィジョンの ceremony で踊るし、ドレスを選んでいるときにチラっとコンバースのオールスターが映ります。こうしたカットで、ソフィアは明らかに、史実よりもガーリーアートムービーとしての図柄を優先させている、ということをわかりやすく宣言しています。だからその上で、これを歴史映画として観て、文句を垂れてるやつは、ドトールのコーヒーに文句つける本格珈琲好きみたいでアホだな、って思います。

「パンがなければケーキを食べればいいじゃない」という有名なセリフが、実はアントワネットの発言ではなかった、ということはあまり知られていない事実です。人は、200年も前のマスコミにすら翻弄されてしまう。であれば、アントワネットの暮らしを、ガーリーに仕立て描いた映画にどれほどの罪があるのかと思います。歴史的な浪費の女王として語られる反面、愛らしく夢見がちに語られることがあっても良いと思います。

お姫様、フランス、ドレス、マカロン・・・と、とにかくマッチョなむきには鼻で笑われる要素が満載で、公開当時はずいぶん冷淡なレビューを書いていたレビュアーも多かったなあという印象ですが、同時に、映画の価値はそのモチーフにあるわけではない、という明らかな事実を、この映画に関しては忘れている人が多かったのも事実ではないでしょうか。つまりそれだけ、マリーアントワネットとヴェルサイユ宮殿というモチーフが、無視できない大きなものであるということだと思います。

女性特有の、ふわふわとした夢のような思いを、映像化することはソフィア・コッポラという監督のもっとも得意とするところですが、そのモチーフにマリーアントワネットとヴェルサイユ宮殿という、究極にロマンティックにして巨大なモチーフを選んだこと、その困難に挑んだことが本当に素晴らしいと思います。そういう意味でこの映画は素晴らしいと思います。

その上で、この映画を好む好まないの問題は語られるべきだと思います。

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★★★★★
1960年代のアメリカで許されざる恋に落ちてしまったふたりのカウボーイのおはなし。アカデミー作品賞最有力候補、といわれつつもテーマが同性愛のために「クラッシュ」に作品賞を譲る結果になった、と監督自身がインタビューで語っていたりしたので気になる作品でした。やっと鑑賞。

主人公ふたりが同性愛者である、ということにはあんまり意味がありません。「その時代においてありうる限りもっとも困難な恋愛をする者たち」という意味で同性愛者が物語の主人公になっているのだろうと思います。原作を読んでいないので、もともとの小説の意図はわかりませんが、映画を見た限りではそう感じます。なので、ロミオとジュリエットと構造を同じくする悲恋の物語、として私は観ました。

で、そういう物語の好き嫌いとなると完全に好みの問題で、そもそもまっとうな恋愛映画をあまり好まない(ひねくれ者の)わたしとしてはいまひとつ盛り上がるものがありませんでした。

もうちょっと恋愛以外の要素があるのかと思ったら、そうでもなくて、完全なる恋愛映画だったので、うーん、なんかちょっと、騙された気分。カウボーイハットで、恋愛映画の甘い要素がカモフラされていて、それにまんまと騙されて観てしまった、というようなそんな気分。

ジェイク・ギレンホールもヒース・レジャーも大好きな役者だし、作中の複雑な感情表現も上手だなあって感嘆します。ワイオミングの雄大な自然の美も素敵です。良い映画だと思いますが、好みには合わなかった、という感じです。

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★★
「その名にちなんで」のミーラ・ナイール監督作品。
インドの中流家庭の一人娘の婚礼と、それにまつわる人間模様のドラマです。

インドの湿気た空気感まで伝わってくるような色彩とカットワークがとても素敵です。あと、随所にドタバタしたドリフ的なシーケンスと、マサラムービー的なダンスと音楽のシーンがさりげなく挿入されるのも可愛くて好きです。

家族愛が一応のテーマとして起承転結を支えてはいますが、メロドラマ的なストーリーなので、エンターテイメント性は薄いです。それでも魅力ある映画だと感じる理由には、インドのモンスーンの季節の美しさの切り取りと、そこにある人のいとなみの温かみの活写があるからだと思います。監督自身の、ふるさとと風土への深い愛情を感じます。詩情とおもむきのあるすてきな映画だと思います。

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★★★

最近観た映画メモ

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あるスキャンダルの覚え書き ★★★
女の人生には小さなものから大きなものまで、たくさんの落とし穴が開いている、と思った。ケイト・ブランシェットの、「まあまあの生活にありきたりな不満をもってつまらない不倫に没入する人妻」の演技が巧かった。大恋愛よりもそういう情事の演技にこそ女優の力量が出るなあ。
ジュディ・ディンチは言わずもがなの巧さ。発酵したオールドミスのやな感じがすごくいい。

シティオブメン ★★★
シティオブゴットの続編。大好きなフェルナンドメイレレス監督作品。色彩もカットワークも音楽も時系列表現も、全部かっこいい。でも、前作よりも視点がミクロになっている印象で、ちょっとテレビドラマを観ているような感じなのが残念。とはいえテレビドラマシリーズまで網羅しているファンとしては、アセロラくんの成長が嬉しかったりして。という感想もテレビドラマ的。

チャーリーズエンジェル フルスロットル ★★
能天気で景気のいい映画が観たくなったので再鑑賞。観るたびに筋トレ魂に火が付く映画です。女は容姿を磨いてつねに笑顔でタフに生きるべしと、思わされます。
それが主体ではないのは承知ですが、今観るとやっぱCGとアクションが古いのが気になるなー。

hesheit ウィスット・ポンニミット作品集 ★★★
これも再鑑賞。ちょっと夢見がちで素朴で若干いかれていて、根底を良心がしっかりと貫いている、ウィスット・ポンニミットの世界が好きです。こういう作品こそ大画面で流しっぱなしにしたいなあ。

最近観た映画メモ

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なにをみたかぜんぜん思い出せない!
ちょこちょこ感想を足していきます。

007 慰めの報酬 ★★★
先代のボンドよりも絶対ダニエル・クレイグのほうがかっこいい。ボンドはもはや様式美の世界だと思っているのでストーリーはかなり流して観ました、が、そういう人に対しても飽きさせない工夫がある感じで好感。

ヘルボーイ/ゴールデンアーミー ★★
妖怪大戦争でした。妖怪とセルマブレアが可愛かった。
アメコミが元ねたの映画ってだいたい主人公よりも脇役のほうが魅力的なのはなんでだろう。

僕らのミライへ逆回転 ★★★★★
全くスキのないパーフェクトな映画。ストーリーとか手法もすばらしいんだけど、映像そのものに対するゴンドリーの愛情を感じる映画だった。職人の情熱を観た、というかんじで大変感動した。

バンク・ジョブ ★★★★
実話ベース。UKクライムものは洗練されててよろしいね。

闇の子供たち ★★★
ずっしり重いテーマ。監督の問題に対する憤りが、細やかな表現に繋がっているかんじがして、「映画のあるべきひとつの姿」を見たと思った。

WALL・E ★★★★★
レミーのおいしいレストラン ★★★★
モンスターズ・インク ★★★★★

ウォンテッド ★★
星ふたつ、だけど好きな映画。モーガンフリーマンがめずらしく"モーガンフリーマン役"ではない役を演じてます。

トロピック・サンダー ★★★
昨年のマイベストカメオ賞。トムクルーズは下劣な役がいちばんいい。

未来を写した子供たち ★★★★
インドの買春窟で生まれ育った子供たちに写真を教えるお姉さんのドキュメンタリー。子供が撮った写真がとにかく良くて唸る。映画の興行収入が少しでも彼らを救ってくれればよいと思う。

ゲットスマート ★★
コネタで繋ぐ映画だけど・・・ビジュアル重視の映画だけど・・・いくらなんでも筋がテキトーすぎる。もうちょっとまじめにやってください、ということで★ふたつ。

アメリカンティーン ★★★
イーグル・アイ ★★
ダークナイト ★★★
ホット・ファズ ★★★★
カンフー・パンダ ★★★★

イースタン・プロミス ★★★★★
殺伐とした映像美、というか。絵葉書にはぜったいにならない美しい絵というか。
印象的なショットがとにかく多かった。ロシアン任侠なストーリーも甘くなくてよかったです。

大日本人 ★★★
告発のとき ★★★
ミスト ★★★★
チャーリー・ウィルソンズ・ウォー ★★★
ラスベガスをぶっつぶせ ★★★★

幸せになるための27のドレス ★
飛行機の機内でみた。年増にラブコメはきつい。

クローバーフィールド ★★
ゼアウィルビーブラッド ★★★

ジャンパー ★
これも機内でみた。ハイバジェットなアクションムービーなのに開始15分で人を寝かすほど退屈ってところが逆にすごいとおもった。

ダージリン急行 ★★
バンテージポイント ★★★★

ノーカントリー ★★★
この世で起きるあらゆる事象の背景にあるものは個人の行動規範に基づく行動であり、行動規範とい うものは正義や悪には何ら関係のない超個人的なものですよ。だから個人の集合体である世界における人生はままならないんですよ。という残酷な事実を淡々と 伝える映画。原作もすごく面白い。

燃えよ!ピンポン ★★★
爆発シーンのCGが「予算がない」でも「技術がない」でもなく「テキトーなだけ」っていう感じで面白かった。B級映画好きには自信をもっておすすめします。

アメリカン・ギャングスター ★★★

エリザベス・ゴールデンエイジ ★
期待はずれ。演出とストーリーが完全に昼ドラだった。韓流ドラマ的なロマンチシズムの表現というか。衣装は素敵でした。

俺たちフォギュアスケーター ★★★
ボーン・アルティメイタム ★★★

パンズ・ラビリンス ★★★
トータルで見ると暗くてそんなに好きな映画ではないんだけど、5分ほど強烈に面白い場面があって忘れられない。妖怪好きは是非。

キングダム/見えざる敵 ★★★★
バタフライ・エフェクト ★★★★★
ウィッカーマン ★
16歳の合衆国 ★★★
エレフェント ★★★★
隣のリッチマン ★★

その名にちなんで ★★★★★
原作の上品で繊細な筆致をまったく損なうことなく映画化したところがすごい。
インド人監督の映画っていわゆるマサラ・ムービーしか見たことがなかったので、こんなに洗練されたものがあるんだなあって驚いた。ニティンソーニーの音楽もすばらしい。

ハンコック ★★★
パーフェクトブルー ★★★
キサラギ ★★★★
ハッピーフィート ★★
美しい人 ★★★★
コールド・マウンテン ★★★★

サンキュー・スモーキング ★★★★
タバコ会社のロビイストのはなし。っていうテーマでもうワーイってかんじです。

オーシャンズ13 ★★★
エバン・オールマイティー ★★★
クルーエル・インテンションズ ★★★★★
ゴーストワールド ★★★★★
スーパーバッド ★★★★
ハリウッドランド ★★
ヘアスプレー ★★★★


崖の上のポニョ

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前評判があんまりよろしくないので心配しつつ観にいきましたがとても良い映画でした。

なにより海の描写がすばらしい。宮崎監督の描く、いろんな生き物がごしゃごしゃと生きている絵はほんとに素敵です。スクリーンいっぱいに海の生き 物がそれぞれ勝手に動き回っている感じが素晴らしい。私は磯遊びが大好きなんだけど、岩陰に不思議なかたちの生き物がそれぞれの生態で折り重なったりすれ 違ったりしながら生きているのを見ていると、人間も俯瞰したらこんな感じなのかなーなんて、のんきな気分になれるということが、ひとつの理由として あったりします。そしてそれって、生きてるってそんなに悪くないなって思うことに近いし、この映画の「生まれてきて、よかった」というキーワードに通じて いくものがあるのではないでしょうか。

海をひとつの登場人物として描いたと作品解説にありました。波のうねりが強くて怖かったり、急に水温が変わってぎょっとしたり、波間に黒い影をみ てパニックしたり。そういった海における恐怖を思い出す反面、前述した岩陰の魅力的な世界も同時に想起させるような「海」の表現は、まさにひとつの登 場人物としての存在感をもって迫ってくるものでした。海がひとつの登場人物だという設定も、その設定を全うしていることも新しいし面白いと思いました。

ストーリーはいたって童話的でハッピーなものなんだけど、これをハッピーなストーリーとして観る事のできない人も多いだろうなとは思いました。素 直にストーリーを追う/追わないの分かれ目は、ポニョを何かのメタファーとして見ない/見るに多くかかってくるのかもしれません。見慣れない姿のポニョ を、見知った何かに当てはめることは簡単だから。でも、ポニョは「さかなの子」だと主題歌でも歌っているわけで。相対する存在として人間の少年が配置され ているわけで。きちんとそこには描き分けがあったので、ポニョというキャラクターは、ポニョというキャラクターでしかないのではないかと思います。なんで もかんでも同化して考えるのは想像力に蓋をする行為ではないかとわたしは思います。

童話的でハッピーなストーリーであるからして、つっこもうと思えばいくらでもつっこむ要素のある映画だと思います。と同時に、それをわざわざする ことはないな、と思わせる魅力のある映画でもあると思います。ここ数年、ジブリは確信犯的にご都合主義を映画に盛り込んでいるけど、それって悪いことでは ないと私は思うのです。個人的な妄想を魅力的にアウトプットして、それで人々を魅了するのがフィクションなのだから。ある種の人々は、自分の妄想には寛容 なくせに、他人の妄想に対してやけに手厳しいから不思議です。

宮崎監督が、「不安と神経症の時代に立ち向かおうというものである」と語ったことに対して、ポニョ VS 神経症という誤った対立構造を持ち出して、過剰に反応する層が存在してると感じています。"不安と神経症の時代"に対立するのは、監督のアウトプットの姿 勢なのであって、ポニョ自体ではないです。不安と神経症の時代"に歓迎されるものではない、という自覚をもちながらこの映画を作ったことがすでに表現 の一端なのだから、そこにヒステリックに反応することは、すでに映画に取り込まれているということではないでしょーか。

ポニョという映画は、個人の性質によってとことん評価が異なる映画だと思います。何を見つめるか、何を見過ごすか、という個人の基準 が感想に大きく反映されるように思います。基準となるポイントが、映画を観終わるころにクッキリしてくるような感じがして、わたしはそれがこの映画に込め られた仕掛けなのかな、なんて思いました。映画自体が表層となり、その奥にあるものが突然意味をなす、その感触はなかなか得がたいものだと思います。

最近みた映画メモ

| | TB-1

すっかり更新するのを忘れていた・・・。観たことを忘れているものがけっこうある気がします。

オーシャンズ13/★★★★
シリーズものなのに飽きない。マット・デイモンがいい。

トランスフォーマー/★★★★★
最高。文句のつけどころなし。ロボットもさることながら、アメリカ(B級)映画の全ジャンルの主要クリシェを確信犯的に盛り込んでいるところがすばらしいと思った。

ディパーテッド/★
なぜにアカデミー作品賞なのか全く理解できない退屈さ。リメイク元(インファナルアフェア)とは天と地ほども違う。

QUEEN/★★★★
ダイアナ妃事故死前後の英国王室の苦悩。英国王室って日本からはとにかく遠い存在なのでおもしろかった。気高さとエレガンスのお勉強になりました。実践とはまた別の問題だけど。

300/★★
筋肉とギリシアモチーフと西洋チャンバラのPV。

リトル・ミス・サンシャイン/★★★★
かわいらしいモチーフですがビターなロードムービー。力の抜けた教訓物語というかんじで、そのさじ加減が好きだなあと思いました。

不都合な真実/★★★★
温暖化という問題を映画にして全世界に発表したアルゴアの行動力を心からかっこいいと思った。問題の認識から解決までの道筋をシッカリと立てられる人はかっこいいなあ。

スーパーマンリターンズ/★★
あまり感じるところのない映画でした。スーパーヒーローが必ずしも人格者というわけではない、と。アメリカのヒーローは影があっておもしろいなあ。

ヒストリー・オブ・バイオレンス/★★
パルムドールノミネート作品。サスペンスに振り切れるわけでも人生譚としてまとめきるわけでもない、中間的な作品で個人的には退屈でした。

トゥモローワールド/★★★
人類が生殖機能を失った近未来のはなし。ストーリーはともかく、超長回しカットが圧巻。映画に関係ないけども。少子化ばなしにはとかく過敏な子供のいない既婚女性としては、子供ができないなら無理せずそのまま絶滅すればよいよと思う。

インファナル・アフェア /★★★
ブラッド・ダイヤモンド /★★★★
バベル/★★★
パープル・レイン/★★★
エニイ・ギブン・サンデー/★★★
スパイダーマン3/★★

めも

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ココシリ ★★★★★
イントゥーザサン ★★
ベンチウォーマーズ ★★
マイアミ・バイス ★★
アリ・G ★★
IDIOCRACY ★★★★
マリー・アントワネット ★★★★
ドニー・ダーコ ★★★
トランス・アメリカ ★★★★
ビッグダディ ★★★
DEUCE BIGALOW : MALE GIGOLO ★★
穴 ★★★
隠された記憶 ★★
ゴーストワールド ★★★★★
スカーレット・ヨハンソンの100点満点大作戦 ★★
キャリー2 ☆

エルフ

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ウィル・フェレル扮する、北極のサンタさんの工房で働くエルフたち・・・の中に諸般の事情で混じっている”エルフとして育った人間”の男が、父親に会いにNYにやってくるというストーリー。大男(190センチ)のウィルが、白いタイツにとんがりお帽子で「ダディ~!」とか言って飛び跳ねまくる姿が気持ち悪すぎます。ウィルは大好きですが若干やりすぎ感が漂う気もします。

クリスマスも近いことなのでそれらしい映画を、なんて言って、何も知らずにこの映画をレンタルしてしまう人、多いんだろうなあ・・・。心から同情します。

アンカーマン

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邦題は「俺たちニュースキャスター」なのですが、あまりにも締まらないタイトルなので原題を採用。大好きなウィル・フェレルのほか、ヴィンス・ボーン、ジャック・ブラック、ベン・スティラーといったアメリカンB級コメディの常連が山盛り出演していてお好きな人にはたまらないキャスティング。個人的には大好きなクリスティーナ・アップルゲイトが出演していて嬉しかったです。筋はバカバカしいのでストーリーに期待せずに、コントを見るような気持ちで観るのが良さそう。

カーズ

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安心と信頼のピクサー作品。

子供にも理解できる平易なストーリーとモチーフ使いですが、大人も大満足できると思います。ストーリーの理解に関係のないところに、大人向けのちょっとしたネタが盛り込まれているのでなんだか得をしたような気にすらなってしまいます。

そして、ピクサーはキャラクターの肉付けが本当に上手。「kawaii文化」がお家芸の日本人には、とてもじゃないけど、かくもカラフルな性格の幅を持たせて車をキャラクター化することはできないだろうなと思います(それがダメだということではなく、単に個性の問題です)。そういう意味で、日本人にとっては特に新鮮なアニメーションではないかと思います。

いつもながら、ピクサー作品を観て思うのですが、リアリティを追求するところと、デフォルメするところの線引きが本当に上手です。アニメーションの位置づけというものを「絵が動くもの」から、「映画ではできないことを全て実現するもの」へとシフトさせている感があると思いました。

SAYURI

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日本を舞台にした日本人のおはなしを英語で映画にすることの難しさよ。花柳界のことばの、日本語を使う / 英訳して使う、の線引きにジレンマがあったと見えて妙な科白が多い。映像はとてもきれいでロマンティックだけど、やっぱり原作のほうが繊細な魅力があって好きだなあ。

オーシャンズ12

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お衣装が素敵すぎ(ジョルジオ・アルマーニ)てため息。11より好き。個人的にオーシャンズ~は、オシャレ映画というくくりです。
ソフィア・コッポラに次ぐガーリームービーの旗手とか言われてるけど、その評価にかなり違和感を感じてしまいました。脚本や映像は、一見するとそんな雰囲気かなあというかんじなんだけど、刺さらないというかわかりやすすぎるというか、ガーリームービーの一番の魅せどころは「名状しがたい感情をきれいに映像化する」ということだと私個人は思うのですが、その点で物足りなさを感じました。

しかし何といっても気になるのはヒロイン。監督本人演じるヒロインが、落合家の福嗣くんのようなルックスでなあ・・・。やっぱ映画における見た目は大切だとおもいます。

ブラック・ダリア

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ジェイムズ・エルロイの「LA三部作」の待望の映画化。映像として観て、個人的にはあまり感じるところがなく、「ナイロビの蜂」とは対照的に、”映画化する意義”をあまり感じませんでした。が、映画の位置づけとしては、”ザ・ハリウッド映画”だと思うので、原作から離れて単純にサスペンス・エンターテイメントとして観れば、退屈しない映画ではあると思います。

公開前から話題だった、2大女優について少々。スカーレット・ヨハンソンの演技が素晴らしいと思いました。普段の言動やパパラッチされる姿などの印象で「キレイだけどバカっぽい人」という印象を持っていたのですが、役者としてスクリーン越しに観るとまるで別人。天性の女優なのだなあと思いました。時を近くして、スカーレット主演の「ロスト・イン・トランスレーション」を観たのですが、やはり同じ印象を持ちました。一方で、ヒラリー・スワンクのグラマラスな役どころにムリがありすぎてちょっと見ていていたたまれない気持ちになりました。素晴らしい役者なだけに、もったいないキャスティングだと思います。

ユナイテッド93

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911テロ時に墜落した飛行機のうちの一機、UA93が墜落するまでをものすごく丁寧に残酷に再現した映画です。BGM はもちろんなく、時間軸と状況説明のためだけに編集が行われ、心温まるエピソードなどの恣意的な演出も当然ナシ。そういった点では、映画手法的に非常にアバンギャルドな作品だと思います。けれども確実に、哀しみや空しさが心に刺さります。911 に関する報道において「アメリカ国民は傷ついた」というような表現がわりと頻繁に使われているのを見て、「そういう表現をするのだなあ」と漠然と新鮮な気持ちになったものでしたが、この映画を観て「国民が傷つく」という言葉の真意を垣間見たような気になりました。

映画を観ていて「真空状態」を体感したような気分になったのは初めての経験でした。すさまじい緊張感で頭が痛くなりましたが、観て良かったと鑑賞後に思いました。傑作だと思います。

40歳の童貞男

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期待はずれだったなー。友情やら愛情やら、あれもこれも盛り込みすぎで散漫な印象。もっとおもしろくなりそうなモチーフなだけに惜しい。2chで童貞の悲哀のこもる発言を拾ってマッシュアップしたほうがおもしろいものができそう。

プラダを着た悪魔

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男にとっての 007 みたいなものか。全体的に少女マンガ的なノリで、とくにメリルストリープのいかにもな演技がおもしろい。そして豪華なお衣装!全てのコーディネイトが夢のようにすてきだった。最後のクレジットの、衣装提供のリストもおもしろくて見入ってしまう。シャネルのニーハイブーツ、欲しいなぁ・・・。

スネーク・フライト

| | TB-1
あえてコメディカテゴリーに入れておきます。飛行機が!毒蛇で!いっぱいに!ギャー!みたいなばかばかしいパニック映画。素晴らしいです。ハゲたオッサンが大蛇に丸呑みされたり、トイレで便器から顔を出した蛇に局部を噛まれたり、というような漫画的なネタが満載です。涙ありポロリありカタルシスありではありますが、それは言うなればお刺身のツマに過ぎず、あくまでも主人公は蛇(と蛇に噛まれて死にまくる乗客乗員)です。ゾンビやエイリアンといった「やたらしつこくて大量でなんかもう途中でうんざりしてくるくらい強い敵」が登場するパニック映画好きにとっては、観るだけでテンションが上がる超オススメの作品です。

そして、エンディング曲も最高。公募で選ばれた Cobra Starship というウルグアイ(!)のロックバンドによるものなのですが、アメリカ人が忘れてしまった能天気なロックスピリッツはウルグアイで確かに継承されている!ということを示す名曲です。ダンスロック好きは是非。

インサイド・マン

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退屈しない脚本、うまくハマるカタルシス、きれいな映像、豪華なキャスティング。上質なんだけど印象に残らないという残念な一本。好みの問題ですな。

最凶女装計画

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オカマモチーフのたいへん下品なコメディ。ではありますが、白人上流社会への風刺とアフロアフリカンのプライドに満ちていて、悪くないと思います。万人にはおすすめしづらいけど。パリスヒルトンを半笑いでウォッチしている向きには確実にオススメの一本です。
個人体験とシンクロして沁みた。全世界の(ピンからキリまですべての)トロフィー・ワイフや、(嫁が若くてぼんやりしたかんじの)年齢差夫婦のためにある名作ではないかと。舞台が北京だろうがハノイだろうが、同じように沁みたと思う。スカーレット・ヨハンソン、ビル・マーレイの演技もとても良くて、微妙な感情だけで成立している脚本を、演技として残した俳優たちと、映像として切り取った監督はすごいなあと思った。ソフィアはやっぱ天才(断言)。
ウィルフェレル・オーウェンウィルソン・ヴィンスボーン・クリストファーウォーケン、というコメディ的に超豪華クレジットで文句なし。ヒロインが私の大好きなレイチェル・マクアダムスなのもうれしかった。ストーリー?そんなのはどうでも良いのであります。

Author

映画と猫と旅行が好きな
70年代後半うまれの女性

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